惣菜
いかと里いもの煮もの
Ika to Satoimo no Nimono
輪切りにしたスルメイカと皮をむいた里芋を、煮汁が少なくなるまでじっくり煮込む。富山では一年を通してイカが揚がるとされ、秋冬に収穫される里芋と合わせた冬の定番おかずとして親しまれている。
- 発祥: 富山県
- 東京から北西へ約260km
何でできているか
イカと里芋をこっくりとした甘辛い煮汁で煮込んだ家庭料理。イカはプリッとした弾力のある歯ごたえを残し、里芋はほろりとやわらかく、ねっとりとした舌ざわりが特徴とされる。煮汁がしっかり染み込んだ里芋の表面と、噛むとじゅわりと旨みがあふれるイカの身との対比が楽しく、体を温めてくれる冬の定番料理として知られている。
どう作るのか
イカは内臓を取り除き、輪切りにする。里芋は皮をむいておく。煮汁を煮立たせたらイカと里芋を入れる。煮立ったあくをすくい、弱火で30分ほど揺らしながら、煮汁が少なくなるまでゆっくりと丁寧に味を染み込ませてゆく。里芋が煮崩れないよう火加減を終始弱めに保つのが、仕上がりを大きく左右する何よりのこつとされている。
なぜこの形になったのか
一年を通してさまざまな種類のイカがとれる湾に恵まれた土地で、身近な魚介として親しまれてきたイカと、江戸時代から栽培が続く伝統野菜の里芋とが組み合わさって生まれた料理と伝わる。里芋の収穫期が秋から冬にかけてであることから、自然とこの時期の食卓に並ぶようになり、寒さに寄り添う家庭の味として根づいてきたとされている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ富山県
- ばいの煮もの富山湾の深海にすむ巻貝バイを、殻ごと出汁で煮る。「めでたいことが倍になる」という語呂から祝いの席に登場するとされ、小ぶりなツバイは煮物、大ぶりなものは刺身で食べ分けられる。
- べっこう煮溶かした寒天に醤油とみりんで味をつけ、卵を糸を引くように流し込んで固める。あめ色に卵がむら雲のように散る見た目が鼈甲のかんざしに似ることが名の由来とされ、県西部では「ゆべし」とも呼ぶ。
- ぶりしゃぶ薄くそぎ切りにしたブリを昆布だしにさっとくぐらせて食べる。表面だけ火が入り中はレアな状態になるとされ、氷見漁港で揚がる「ひみ寒ぶり」を使ったものは特に贅沢な冬のご馳走とされる。
- げんげの味噌汁ゼラチン質に覆われた深海魚ゲンゲを、ぶつ切りにして味噌汁にする。甘エビ漁に混じって揚がる厄介者として扱われてきたが、身の美味しさが見直され漁村の外にも広まってきたとされる。
- 氷見うどん富山県氷見市で江戸時代中期、輪島の素麺の技法を取り入れて作られ始めた手延べうどん。加賀藩への献上品でもあった。
- 報恩講料理親鸞聖人の命日に営む報恩講の膳に並ぶ料理の総称で、その年よく出来た野菜や山菜を普段用とは別にとっておく習わしがあるとされる。信仰の篤い南砺市の五箇山地区では、干し山菜や五箇山豆腐などで具だくさんの煮物が作られる。