惣菜
鱧皮ザクザク
Hamokawa Zakuzaku
かまぼこ用にハモの身をこそぎ取った後に残る皮を炙り、きゅうりと甘酢で和える夏の酢の物。名前の「ザクザク」はきゅうりを切る音とも食べる音ともいわれ、天神祭の食卓に並ぶ大阪の始末料理という。
- 発祥: 大阪府大阪市
- 東京から西へ約400km
大阪府大阪市
系譜
鱧皮ザクザク半助豆腐
何でできているか
かまぼこづくりでそぎ取ったあとに残る鱧の皮を、きゅうりと甘酢で和えた夏の一品とされる。小骨を取り除いて炙った皮のこりこりとした食感と、きゅうりのみずみずしさが甘酢とともに口の中で弾けるとされる。古くから海運業や商業で栄えた大阪では鱧が大量に水揚げされ流通し、鱧は梅雨の水を飲んでおいしくなるといわれるほど夏を代表する食材とされる。
どう作るのか
刻んだ鱧皮を甘酢に和え、塩もみして水気を切った薄切りのきゅうりと和える。切るときや食べるときの音が料理名の由来ともいわれているという。あっさりとした味わいで、夏に食が進みやすいとされ、夏におこなわれる天神祭りにもよくつくられる惣菜とされる。かまぼこ店やスーパーなどで販売される鱧皮を用いてつくられ、家庭料理としても飲食店の副菜や酒肴としても味わえる一品という。
なぜこの形になったのか
大阪では鱧がかまぼこの原料として使われ、身をそぎ取ったあとに皮だけが残ることから、この皮まで無駄にせず食べる工夫として生まれたと伝わる。夏に旬を迎える鱧を用いた天神祭りの惣菜としても親しまれてきたとされ、残った部分まで使い切る大阪の始末の精神を映した料理と考えられている。地域の家庭や飲食店などでつくられることで継承されているという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ大阪府
- あかねこ蒸したもち米と小麦粉をついた餅に砂糖ときな粉をまぶす「半夏生もち」。田植えを終えた感謝と豊作祈願で食べられ、皮ごと挽いた小麦粉で餅が褐色になり、猫の丸い背中に似ることから名がついたと伝わる。
- バッテラ薄切りの〆鯖と白板昆布を木枠で押し固める箱寿司。南船場の「寿司常」が明治24年に考案し、当初使ったコノシロの寿司の形が小舟に似ていたことからポルトガル語で小舟を意味する名がついたと伝わる。
- 紅しょうが天梅酢に漬けた紅しょうがの薄切りに衣をつけて揚げる天ぷら。梅酢の酸味としょうがの辛みが酒によく合い、昭和15年発表の織田作之助『夫婦善哉』にも一銭天ぷらとして登場するほど古くからの大阪庶民の味という。
- 紅ずいきと油揚げの炊いたん背丈2mにもなる赤褐色のずいき「紅ずいき」を酢水でアク抜きし、油揚げと出汁・醤油で煮含める夏のおばんざい。スポンジ状の断面が味をよく含み、大阪府の「なにわ特産品」にも選ばれているという。
- どて焼き下茹でした牛すじを、鍋のふちに土手のように盛った味噌とみりんで長時間煮込む。甘辛く濃厚な味わいが酒によく合い、新世界エリアに提供店が多い大阪の下町グルメとして親しまれているという。
- 恵方巻き節分の日、その年の縁起の良い方角「恵方」を向いて無言で丸かぶりする太巻き寿司。起源は定かでないが、花街の遊びや大阪・船場の商家が商売繁盛を願っておこなったなど諸説が伝わっている。