惣菜
ふくめん
Fukumen
白身魚をほぐして甘辛く煮たそぼろを、麺状に切ったこんにゃくにまぶす宇和島の行事食。ピンクは春、緑は夏、みかん色は秋、白は冬と四季を色で表すとされ、婚礼や長寿祝いに供される。
- 発祥: 愛媛県宇和島市
- 東京から西へ約710km
愛媛県宇和島市
系譜
ふくめんふかの湯ざらし
何でできているか
白身魚のそぼろが糸こんにゃくを覆い尽くすように盛られ、ねぎやみかんの皮の彩りが四季を表すという華やかな一皿だという。宇和島藩の行事食として伝わったとされ、名前の由来には、こんにゃくを「山ふく」と呼び麺のように細く切ることから「ふく麺」となったという説や、そぼろで覆面するように仕立てることに由来するという説などがあり、いずれが正しいかは定まっていないという。
どう作るのか
白身魚を茹でてフキンに包み、よくしぼって水気を切る。ほぐしながら骨を取り除いて鍋に入れ、砂糖と酒で調味し、色をつける場合は食紅を加える。糸こんにゃくは食べやすく切って茹でて水気を切り、鍋でから煎りしてだし汁と調味料を加え、汁気がなくなるまで煮る。骨を除いた魚のそぼろを糸こんにゃくにまぶして皿に盛り、仕上げにねぎとみかんの皮を飾る。
なぜこの形になったのか
こんにゃくは江戸時代の飢饉の際にもよく収穫できたため、食糧確保の目的で栽培が広まったと伝わる。こんにゃくの上に色とりどりのそぼろをのせて四季を表す仕立てが、ハレの日の料理として振る舞われるようになった背景にあるという。宇和島市周辺では祝い事に鉢盛料理が欠かせず、「ふくめん」はその中心を占める一品として結婚披露宴や長寿祝いの席で供されてきたとされる。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
同じ愛媛県
- ぼて茶煮出した番茶を塩をつけた茶せんで泡立て、黒豆ご飯やたけのこなどの具を入れて食べる松山の一皿。倹約令の折に藩主の女房たちが工夫したと伝わり、花まつりでふるまわれる寺の名物でもある。
- えび天殻ごとすりつぶしたジャコエビを白身魚や豆腐と練り合わせ、油で揚げる東予の練り物。塩分を抑えて豆腐の甘みとエビの香りを立たせ、殻のジャリっとした歯ざわりが持ち味とされる。
- いぎす豆腐海藻のいぎすと生の大豆粉をだし汁で煮溶かし、寒天のように冷やし固める今治の料理。ひんやりとした食感で暑い盛りの食欲をそそり、エビなどの具を入れる家と入れない家で味わいが分かれるという。
- さつま焼いてほぐした白身魚を麦味噌とすり合わせ、骨でとった出汁でのばして熱い麦飯にかける南予の一杯。ぱさつきがちな麦飯を食べやすくする漁師の工夫と伝わり、地域や家庭で使う魚が違うという。
- 鯛そうめんタイを一尾丸ごと煮て、ゆでた素麺と大皿に盛り、煮汁をかけ汁にして食べる。素麺は七夕の織女に、タイは縁起物にちなむとされ、婚礼や還暦など祝いの席で親族に振る舞われてきたという。
- 鯛めしタイを丸ごと米と炊き込む東予の型と、生の切り身を卵と醤油だれに漬けて熱いご飯にのせる南予の型がある。縁起の良い魚とされ祝いの席でも食べられ、家庭ごとにどちらの食べ方が根付くかが分かれるという。