惣菜
ふかしなす
Fukashi Nasu
巾着なすを半分に切って蒸し、冷やしてからし醤油や生姜醤油で食べる新潟の郷土料理。なすの生産量が全国有数の新潟で、体を冷やす夏の一品として親しまれてきたと伝わる。
- 発祥: 新潟県
- 東京から北へ約260km
何でできているか
丸みのある巾着なすをじっくりと蒸してからよく冷たく冷やし込み、からし醤油やしょうが醤油でじっくりいただく一品とされる。煮ても焼いてもアクが強く出るなすだが、蒸すことでトロリとした食感に変わり、自然な甘みが際立つ。手で裂いて味わうと繊維の口当たりが感じられ、からしのぴりっとした辛みが全体を引き締めるという。
どう作るのか
半分に切った巾着なすを水にしっかりとさらしてアクをよく抜いておく。蒸し器で10分ほどじっくりと丁寧に蒸してから、箸がすっと通るくらいになったら取り出して冷ます。冷蔵庫でしっかりと冷たく冷やしてから食べやすい大きさに切り、からし醤油やしょうが醤油でいただく。冷やさず温かいままでもおいしく味わえるという。
なぜこの形になったのか
夏から秋にかけてなすが豊富にとれるこの土地では、体を冷やす作用があるとされるなすを、暑さをしのぐための食材として古くから大切に活用してきたと伝わる。果肉がしまった丸い品種は蒸すのにとても向いているとされ、お盆の時期には先祖を供養する料理のひとつとして食卓に並び、夏の郷土料理として親しまれてきたという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ新潟県
- あんぼ米粉の生地であん餅や漬け菜、なすなどの具を包んで蒸す中越地域の郷土料理。小麦が育ちにくく米どころだった土地柄から、長野の「おやき」に似ながらも皮に米粉を使うのが特徴とされる。
- 越後味噌精白した丸米を使うため麹粒が味噌の中に浮いて見えることから「浮麹味噌」とも呼ばれる、新潟県の赤色辛口味噌。上越・中越・下越・佐渡それぞれで気候風土に応じた作り方の違いがあるとされる。
- ふぐの子の粕漬けゴマフグの卵巣を2年以上塩蔵したのち佐渡の酒粕で長期熟成させる珍味。ふぐ調理師免許を持つ者が処理したものだけが出回り、江戸時代から佐渡でつくられてきたと伝わる。
- へぎそば新潟県小千谷市で、織物の糸を糊付けする海藻「布海苔」をつなぎに使い始めたそば。「へぎ」と呼ばれる木箱に一口ずつ盛り付ける。
- 冷やし汁みそ仕立てだし汁を味噌でのばし、きゅうりや青じそを刻んで加える中越地方の冷たい汁物。夏に食欲が落ちても食べやすいよう工夫された料理で、そのままでもごはんや麺にかけても食べられると伝わる。
- いごねり佐渡でとれるいご草を長く練って板状に固め、細く切って生姜醤油や酢味噌でいただく郷土料理。もっちりとした食感とほのかな磯の香りが特徴で、九州の食文化が北前船を経て伝わったといわれる。