焼きもの
飯餅
Iimochi
残りご飯に小麦粉を混ぜて丸め、平たく焼いた埼玉の軽食。手作業の農作業で忙しかった時代、朝作って田んぼへ弁当代わりに持って行けた手軽さが重宝された。呼び名は地域で異なる。
- 発祥: 埼玉県
- 東京から北西へ約70km
何でできているか
残り物のご飯に小麦粉を混ぜて焼いた素朴な軽食とされる。ご飯の粒感が残る生地は噛むともちっとした弾力があり、醤油と砂糖のたれの甘辛さが香ばしく焼けた表面によく絡むという。食べ応えがありながらも軽い口当たりだという。小麦粉の配合や焼き加減によって、もちもち感の強さも変わってくるという。焼き色がつくまでじっくり焼くと、香ばしさがぐっと増すと伝わる。
どう作るのか
余ったご飯に水を加えてほぐし、小麦粉を加えてよくこねる。食べやすい大きさに丸めて少し平たくし、油をひいたフライパンで焼く。醤油と砂糖のたれを絡めるほか、くるみや砂糖、みりんのたれで食べることもあると伝わる。生地にシソの葉やねぎを混ぜることもあるという。生地を薄く伸ばすと香ばしさが増し、厚めにするともちもち感が際立つと伝わる。
なぜこの形になったのか
農作業が手作業中心で長時間に及んだ時代、食事の準備に時間をかけられない中、少し酸っぱくなった残りご飯を無駄にせず食べる知恵として生まれたとされる。田んぼへ持って行ける手軽さから、農作業や養蚕の合間の小昼として親しまれてきたという。季節を問わず作られてきた日常食とされる。地域によって「焼きびん」や「やきもち」など呼び名が異なり、それぞれの土地の暮らしに根づいてきたという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ埼玉県
- 酒粕味噌ラーメン上尾市の老舗酒蔵が造る酒粕を、地元の中華料理店の味噌スープに溶かし込んだ冬季限定のラーメン。酒粕のコクと風味が味噌のうまみに重なり、寒い時期に体を温めるまろやかな後味を残す。
- どじょう煮荒川や利根川の恵みを受ける埼玉東部で、田んぼで捕れたどじょうをささがきごぼうと甘辛く煮付けた一品。栄養豊富で滋養強壮によいとされ、妊婦の栄養源としても重んじられてきた。
- 行田フライ埼玉県行田市周辺に伝わる「フライ」は、揚げ物ではなく焼き物。水で溶いた小麦粉の生地にネギや豚肉をのせて鉄板で焼く、お好み焼きに似た軽食で、足袋工場で働く女工に広まったとされる。
- 東松山やきとり豚のカシラ肉を炭火で焼き、辛味噌だれを付けて食べる。
- 冷や汁すり鉢でごまと味噌をすり、きゅうりや大葉などの夏野菜と冷水を合わせたつけ汁。うどん文化が根づく埼玉ではうどんのつけ汁として重宝され、川島町では「すったて」と呼ぶ。
- いがまんじゅうあんこ入りの田舎まんじゅうを赤飯でくるんで蒸した、鴻巣市発祥とされるハレの日の菓子。栗のイガのような見た目が名の由来で、甘じょっぱさともちもちした食感が持ち味。