揚げもの ── 揚げ物
串カツ
Kushikatsu
薄切り牛肉や野菜を串に刺し、衣をつけて揚げた大阪発祥の一品。新世界周辺で働く労働者の腹を手早く満たすため考案されたとされ、共有ソースの「二度づけ禁止」の作法でも知られる。
- 発祥: 大阪府大阪市
- 東京から西へ約400km
大阪府大阪市
何でできているか
薄切りの牛肉や野菜、魚介を串に刺し、厚めの衣をつけてパン粉をまとわせ、高温の油でさっと揚げる。串を持ち上げるとまず衣の軽い音が鳴り、噛み進めるにつれ具材ごとに違う食感と味が現れる。共有のソース壺に串を突っ込む「二度づけ禁止」の作法も、この料理の一部として定着している。一本ずつ値段が決まっているため、好きな串だけを選んで気軽に楽しめるのも魅力とされる。
どう作るのか
小麦粉と水で緩めの衣を作り、串に刺した具材にくぐらせてからパン粉をまぶし、180度の油で1〜2分ほど揚げる。牛肉やうずらの卵、蓮根、ししとうなど具材は多岐にわたり、串一本ごとに火の通り方や味付けが変わるよう工夫されているとされる。ソースは客同士で共有する壺に一度だけくぐらせるのが決まりごとといい、キャベツを箸休めに挟みながら食べ進めるのが習わしとされる。
なぜこの形になったのか
一説には、大正末期から昭和初期にかけて、大阪・新世界の通天閣周辺で働く労働者たちの腹を手早く満たすため、薄い牛肉に厚い衣をつけて揚げる形が考案されたとされる。安く早くうまいという条件を串一本に凝縮した料理で、戦後は食中毒の心配が少ない揚げ物として評判を広げ、新世界には専門店が集まる通りができたと伝わる。労働者の胃袋を支える食堂の知恵が、そのまま大阪を代表する食文化に育っていった例といえる。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
同じ大阪府
- あかねこ蒸したもち米と小麦粉をついた餅に砂糖ときな粉をまぶす「半夏生もち」。田植えを終えた感謝と豊作祈願で食べられ、皮ごと挽いた小麦粉で餅が褐色になり、猫の丸い背中に似ることから名がついたと伝わる。
- バッテラ薄切りの〆鯖と白板昆布を木枠で押し固める箱寿司。南船場の「寿司常」が明治24年に考案し、当初使ったコノシロの寿司の形が小舟に似ていたことからポルトガル語で小舟を意味する名がついたと伝わる。
- 紅しょうが天梅酢に漬けた紅しょうがの薄切りに衣をつけて揚げる天ぷら。梅酢の酸味としょうがの辛みが酒によく合い、昭和15年発表の織田作之助『夫婦善哉』にも一銭天ぷらとして登場するほど古くからの大阪庶民の味という。
- 紅ずいきと油揚げの炊いたん背丈2mにもなる赤褐色のずいき「紅ずいき」を酢水でアク抜きし、油揚げと出汁・醤油で煮含める夏のおばんざい。スポンジ状の断面が味をよく含み、大阪府の「なにわ特産品」にも選ばれているという。
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