甘味 ── 和菓子
ぜんざい
Zenzai
小豆を甘く煮て餅を沈めた汁物。出雲地方の神在祭で振る舞われた「神在餅」がなまって「ぜんざい」になったとする説があり、関東と関西で汁気やあんの粒・こしの定義が入れ替わるとされる。
- 発祥: 島根県出雲市
- ほかの系統
- 東京から西へ約630km
島根県出雲市
系譜
ぜんざいあんみつ
何でできているか
小豆を砂糖でじっくり煮て、汁気を残しつつも粒が立つように仕上げ、焼いた餅や白玉を沈めた温かい菓子。関西では粒あんの汁気が少なめのものを指し、関東では汁気のある粒あん仕立てを指すなど、地域で定義が異なるとされる。出雲地方では小豆の粒を大切にした汁気の少ない仕立てが今も守られ、発祥の地としての誇りが製法に表れているという。
どう作るのか
小豆を柔らかく煮てから砂糖を加え、粒の形を残したまま甘く仕上げる。椀に注ぎ、焼き目をつけた餅や白玉を沈めて供する。塩をひとつまみ加えて甘さを引き立てる仕立てもあるという。焼いた餅の香ばしさと、煮た小豆のとろりとした甘さの対比を楽しむ食べ方が定番とされる。塩を効かせて甘さを引き締める仕立ては、出雲地方の伝統的な味付けとして今も守られているという。
なぜこの形になったのか
一説によると、出雲地方で旧暦十月に催される神在祭で振る舞われた「神在餅」が出雲弁で「じんざい」となり、それが京都に伝わって「ぜんざい」になったと伝わる。関東と関西で粒あん・こしあん、汁気の多寡の呼び分けが逆転しているのは、この言葉が各地に伝わる過程で土地ごとに定義が独自に定まっていったためとされる。寒い季節の甘味として、今も各地の甘味処で定番の位置を占めているとされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
兄弟
同じ島根県
- あご野焼きトビウオ(あご)のすり身を串を使わず焼き上げた出雲地方の野焼き。パリッとした表面と上品な甘みが、島根の定番土産として好まれているという。焼き上げる際に立つ香ばしいにおいも魅力のひとつという。
- アゴの子旨煮初夏にとれる子持ちトビウオの卵、アゴの子を出汁と醤油で炒め煮にした隠岐の酒の肴。粒が大きくねっとりとした食感が特徴で、しょうがを添えると魚卵特有のクセが和らぐという。
- 赤貝がらん蒸し中海でとれるサルボウガイ(赤貝)を殻ごと醤油だしで蒸す出雲地方の料理。別名「赤貝の殻蒸し」。殻を洗う音や「殻」がなまったことが名の由来ともいわれ、正月料理として親しまれてきたという。既存の「akagai」は食材ページで、本品は調理された郷土料理のため新規作成。
- 小豆雑煮甘さを控えて煮た小豆に丸餅を入れた雑煮で、あっさりとした味わいが「ぜんざい」に近いとされる。出雲地方では元旦のすまし雑煮に続き、正月二日から食べる家庭もあるという。広域の伝承のため出雲市を代表点とした。
- ばくだんおにぎり隠岐でとれる香り高い岩のりを軽くあぶり、醤油を塗って丸く大きなおにぎりを覆うように巻いた一品。見た目の豪快さから「ばくだん」と呼ばれ、弁当やおやつとして食べられている。出雲地方にも伝わる広域の料理。
- ドジョウのけんちんじる安来市に伝わる、ドジョウをごぼうや大根、しいたけと一緒にすまし汁仕立てで煮たけんちん汁。「ウナギ一匹ドジョウ一匹」と言われる養生食で、田植え後の泥落としに食べられたという。既存の「dojo」は食材ページで、本品は調理された郷土料理のため新規作成。