甘味
半ごろし
Hangoroshi
もち米とうるち米を炊き、米粒が残る程度に半分だけすりつぶしてあんを包む、おはぎに似た菓子。米をしっかりすりつぶす「みなごろし」に対し「半分だけ」の意味で「半ごろし」と呼ばれるという。
- 発祥: 徳島県那賀町
- 東京から西へ約540km
徳島県那賀町
何でできているか
もち米とうるち米を混ぜて炊き、米粒が残る程度にすりつぶしてあんで包んだ、那賀町相生地区に伝わるおはぎのような菓子。米粒のつぶつぶとした食感が残るのが持ち味で、しっかりとすりつぶして作るなめらかな「みなごろし」とは異なる仕上がりになる。生地にヨモギを加えたり、仕上げにきな粉をまぶしたりする家庭もあるという。すりつぶし方が名前の由来で、「半分だけすりつぶす」ことから「はんごろし」と呼ばれるようになったと伝わる。
どう作るのか
もち米にうるち米を混ぜて水に浸け、塩を加えて炊き上げる。炊き上がった米を、粒が残る程度に軽くすりつぶし、あんを包めば完成となる。あんは小豆から手作りする家庭も多いが、市販のものを使う場合もあるという。ヨモギを混ぜ込んで香りを添えたり、きな粉をまぶしたりと、家庭ごとに仕上げ方が少しずつ異なる。すりつぶす加減が強すぎるとなめらかな「みなごろし」になってしまうため、力加減の見極めが仕上がりを左右するという。
なぜこの形になったのか
那賀町は平成17年に5つの町村が合併して生まれ、町域の大半を森林が占める山あいの地域とされる。中でも相生地区で親しまれてきた半ごろしは、来客をもてなす際によく振る舞われていたと伝わり、手に入りやすい米と小豆で作れる素朴な菓子が、もてなしの定番として根づいたと考えられる。一時期は「草もち」の名で販売されたこともあったが、地元の学生の声から元の名前が呼び戻されたという経緯も伝わっている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ徳島県
- あめごのひらら焼き平たい石をかまどで数時間熱し、味噌で土手をつくってあめごや岩豆腐、こんにゃくを焼く祖谷地方の野外料理。平石を「ひらら」と呼ぶことが名の由来とされ、来客をもてなす料理として親しまれてきたという。
- 阿波晩茶徳島県那賀町・上勝町に伝わる、乳酸菌で発酵させる後発酵茶。夏以降に摘んだ硬めの葉を茹でて木桶に漬け込み、10日から2週間ほど乳酸発酵させたあと天日で干して作られ、爽やかな酸味を持つとされる。
- 阿波美豚標高400メートルの徳島県阿波市の山中で、米を中心とした飼料を与えて育てる豚。飼育担当者が日々飼料の配合を調整し、ストレスの少ない環境と遺伝子組み換え作物を避ける飼育を心がけているとされる。
- 阿波牛徳島県内で肥育される血統明確な黒毛和種。昭和37年の東京食肉市場での共励会出品を機に評価を高めたとされ、しっとりときめ細かな肉質と適度な脂が特徴という。格付けはA5・A4・B5・B4規格に限られるとされる。
- 阿波のいとこ煮一度ゆでてから干した「ゆで干し」のさつまいもを水で戻し、小豆と弱火で2時間ほど炊き合わせる。冬に乾物づくりが盛んな徳島らしく、うま味が凝縮した干し芋を使う体の温まる副菜とされる。
- 阿波ういろあんに上新粉や阿波和三盆などを加えて型に流し、蒸し上げるもちもちとした菓子。江戸期に阿波和三盆が完成した祝いにつくられ始めたとされ、名古屋や山口にも同系統のういろうがあるという。