甘味
みとり饅頭
Mitori Manju
重曹を加えてふっくらと蒸し上げるまんじゅうで、独特の香りとほのかな苦みが持ち味。夏にとれる「みとり豆」の餡を包み、北九州地域ではお盆に仏様へ供えてきたと伝わる。
- 発祥: 福岡県北九州市
- 東京から西へ約840km
福岡県北九州市
何でできているか
小麦粉の生地に重曹を加えて蒸した饅頭で、中には夏場にとれる小豆の一種、みとり豆のあんを包む。重曹独特の香りとほのかな苦みが特徴とされ、重曹の成分にちなんだ別の呼び名でも親しまれているという。小麦の生産が盛んな土地ならではの家庭の菓子だと伝わり、全国でも上位を誇る小麦の生産面積の広さが背景にあるそうだ。
どう作るのか
水と砂糖を合わせたところに小麦粉と水で溶いた重曹を加え、耳たぶ程度の硬さの生地をつくる。等分してあんを包み、丸く形を整えて蒸し器で蒸す。重曹を加えると生地がふくらみ、きれいな丸い饅頭に仕上がるという。生産量が少ないみとり豆は、そのほとんどが地元で消費されているそうだ。地域ごとに気候に合う小麦の品種が育てられてきたという。
なぜこの形になったのか
小麦の生産が盛んな土地で、身近な小麦粉を使った家庭の菓子として親しまれてきたと伝わる。みとり豆を使ったこの饅頭は今でもお盆につくられ、仏様に供えたり近所や親せきに配ったりする風習が残っているという。豆のさやから実だけを食べやすく取り出すことが名の由来ともいわれ、生産量の多くは地元で消費されるそうだ。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ福岡県
- あぶってかもスズメダイに塩をまぶして一晩おき、鱗も内臓も除かずに炙る。小骨が多く敬遠されがちな魚だが、明治期の博多湾で大量に獲れた際に塩をふって焼いてみたのが始まりと伝わる。
- あちゃら漬け白瓜やなす、れんこんなど夏野菜を赤唐辛子入りの甘酢に漬ける。博多湾の南蛮貿易で伝わったポルトガル語「アチャール」が語源とされ、お盆に客をもてなす縁起物の奇数野菜を使うという。
- あまぎのかわたけ朝倉市の黄金川だけで採れる天然の淡水海苔を、三杯酢や甘酢で和えて食べる。江戸時代には将軍への献上品だったと伝わる希少な食材で、現在は絶滅危惧種として保全活動が続くという。
- べたもち小麦粉の生地を平たい形にのばして蒸し、きな粉や小豆の粒あんをかけて食べる。豊前海でとれる舌平目「ベタ」の扁平な姿に見立てて名付けられたとされ、田植え後の祝いに欠かせないという。
- かぼちゃのだんご汁豊前市三毛門産の大玉かぼちゃをとろとろに煮て、練った小麦粉をちぎり入れる汁物。約450年前にポルトガル伝来という三毛門かぼちゃは、食べ物が乏しかった時代の命をつなぐ味だったという。
- ちゃんらー北九州市門司区の食堂で生まれたとされる麺料理。ちゃんぽん麺をいりこだしのうどん風つゆに入れた一杯で、長崎ちゃんぽんを食べたいが小遣いが足りない生徒のために考えられたと伝わる。