甘味
いきなり団子
Ikinari Dango
輪切りにしたさつまいもとあんを小麦粉の生地で包んで蒸したおやつ。「いきなり」は熊本弁で「手早く」の意で、来客時にすぐ出せる菓子として親しまれてきたという。出来たての温かいうちに食べる。
- 発祥: 熊本県菊池市
- 東京から西へ約870km
熊本県菊池市
何でできているか
輪切りにした生のさつまいもを、小豆あんとともに小麦粉の生地で包んで蒸した素朴なおやつとなっている。ホクホクのさつまいもに、あんの甘みと生地のほのかな塩味が重なり、出来立てのあつあつをいただくのが基本とされる。県内一のさつまいも産地とされる大津をはじめ、阿蘇山麓周辺の火山灰土壌が栽培を後押ししてきたという。
どう作るのか
さつまいもの皮をむいて輪切りにする。小麦粉とだんご粉、塩を合わせた生地を薄く伸ばし、さつまいもと小豆あんを包み込んで蒸す。出来立てのあつあつをいただくのが基本だが、冷凍したものを半解凍で食べる方法もあるという。生地にヨモギや黒砂糖を混ぜたり、紫芋を具に使ったりと、味と見た目のバリエーションも増えているとされる。
なぜこの形になったのか
阿蘇山麓の火山灰土壌でさつまいも栽培が盛んな地域で、収穫期の農作業の合間に食べるおやつとして各家庭でよく作られてきたと伝わる。「いきなり」は熊本弁で「簡単・手早く」を意味し、急な来客にもすぐ出せる手軽さが、名前と食べ方の両方に残っているとみられる。米が貴重な時代は小麦粉だけの生地だったが、数十年前から小豆あんを包む形が主流になったという。急な来客にすぐ出せる手軽さが、今も変わらぬ魅力とされている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ熊本県
- 天草大王明治・大正期に天草で飼われた大型の肉用鶏が昭和初期に途絶えたのち、熊本県が約10年かけて復元したとされる。120〜150日齢で出荷され、日本最大級の地鶏という。
- がね揚げ拍子切りにしたさつまいもをしょうが入りの甘めの衣にくぐらせ、油で揚げた惣菜。天草の方言で「がね」はカニの意味で、揚げた形がカニの足に似ることから名付けられたという。精進料理としても使われる。
- 鯛そうめんタイの頭や中骨を煮た「あら炊き」の煮汁でそうめんを煮て食べる祝い料理。そうめんを使うのは特産地・島原の食文化の影響とされる。山都町馬見原では鯛を丸ごと姿煮にする「鯛めん」として伝わるという。
- たこ飯天日干しにした「干しダコ」を水でもどして刻み、ごぼうや人参と炊き込む、または後から混ぜるご飯。旨味が凝縮した干しダコを使うことが多く、天草市有明町の夏の風物詩とされる干しダコ干しの光景で知られる。
- 馬肉蕎麦熊本県阿蘇地域に伝わる、馬肉の甘辛いしぐれ煮を温かいそばにのせる料理という。馬肉文化が根づいた土地で、けが人や病人への薬膳料理として食べられてきた歴史を持つとされる。
- ぶたあえ茹でタコとなすを甘辛い麦味噌で炒め合わせた天草の家庭料理。かつて手に入りにくかった豚肉の代わりに、地元で獲れるマダコを使ったのが始まりとされ、名前だけ「豚和え」として残ったという。