ごはんもの ── 寿司
さわらのこうこずし
Sawara no Kokozushi
備前市日生町で豊漁を祝う寿司。酢に漬けたさわらと千切りのたくあん(こうこ)、木の芽を酢飯に混ぜ込む。もとはさわらだけだった寿司に古漬けが混ざり定着したと伝わる。本文が日生町を名指しするためその座標を使用した。
- 発祥: 岡山県備前市
- 東京から西へ約510km
岡山県備前市
何でできているか
酢でしめたさわらと、千切りにしたたくあん(こうこ)を混ぜ込んだ酢飯に、ゆでたグリーンピースと木の芽を散らしたちらし寿司とされる。さわらの上品な脂とたくあんのぽりぽりとした食感が対照的で、噛むたびに魚の旨みと漬物の香ばしい塩気が交互に広がる。日生の春を告げる、瀬戸内らしい華やかな一皿とされる。日生小唄にもうたわれる春の漁の活気を映した、瀬戸内らしい季節の一皿として親しまれている。
どう作るのか
さわらは刺身よりもやや厚めにそぎ切りにし、塩をふって5〜6分置いてから約30分酢に漬けて引き上げる。たくあんは千切りにしてもみ洗いし、しっかりと水気を切る。合わせ酢をかけた酢飯に、さわら、たくあん、ゆでたグリーンピースを混ぜ込み、仕上げに木の芽を飾る。米は昆布を入れて炊き、炊きあがったご飯に合わせ酢をかけて冷ましてから具材を混ぜ込む。
なぜこの形になったのか
春になると産卵のため瀬戸内海にさわらが入ってきて漁場がにぎわい、鰆の字が示すとおり春を代表する魚とされる。陸揚げされたさわらで豊漁を祝い、漁業の安全を願って明治の中頃から作り始められたと伝わる。当初はさわらだけで食べていたが、添えていた古漬けのたくあんが寿司に混ざっておいしかったことから、初めからこうこを入れる形に落ち着いたようだ。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ岡山県
- あみとだいこんの煮付け瀬戸内で秋の訪れを告げる、小エビのアミをだいこんと醤油や砂糖で煮付けた一皿。脂ののったアミとだいこんの相性がよく、荒天で漁に出られない冬場は塩漬けにして食べ継いだという。
- 手延べ素麺のばち汁浅口市鴨方町で、手延べそうめんをつくる際に端に出る「ばち」を大根や人参と煮た汁物。三味線の撥に形が似ることが名の由来とされ、そうめんよりコシが強く小さな子どもにも食べやすいという。
- ブリ雑煮岡山県南部で正月に食べる、出世魚ブリを具にした雑煮。ほうれん草や大根、百合根などの根菜を合わせ、縁起のよいブリで新年を祝う家庭料理として親しまれている。既存の「ブリ」は魚の食材ページで、本品は調理された正月料理のため新規作成。
- 千屋牛岡山県新見市で育つ黒毛和種。江戸時代からの最古級の蔓牛(系統牛)の血統を受け継ぐとされ、高梁川の清らかな水と肥沃な土壌の恩恵を受けて育つという。全国の和牛銘柄のルーツのひとつに数えられるという。
- デミかつ丼揚げたてのとんかつに熱々のデミグラスソースをかけた岡山市発祥のご当地丼。東京のホテルの洋食に感動した老舗の創業者が考案したと伝わり、店ごとにトッピングが違うという。
- 鮒めし児島湾の干拓地に育った水路でとれる寒鮒を、まな板で叩いてミンチにし、根菜と炒め煮した汁を熱いごはんにかけて食べる。「とんとこ汁」とも呼ばれ、冬の寒い日の料理として伝わる。矢掛町・玉野市・八浜にまたがる広域のため玉野市を代表点とした。