麺
太平燕
Taipiien
春雨を主役に、豚肉やエビ、野菜を炒めて煮込んだ中華風スープに、揚げたゆで卵をのせた麺料理。中国福建省の祝い料理がルーツとされ、明治後期に長崎経由で熊本に伝わった華僑の味という。
- 発祥: 熊本県熊本市
- 東京から西へ約890km
熊本県熊本市
何でできているか
春雨をメインに、炒めた豚肉やエビ、イカ、白菜、人参などの具材を合わせた中華風の春雨スープで、仕上げに揚げたゆで卵をのせるのが特徴となっている。つるっとしたのどごしの春雨と、具だくさんであっさりした味わいのスープが持ち味とされる。熊本の中華料理店や家庭でも定番の一品として親しまれているという。揚げ卵のしわの奥から出てくる半熟のこくが、あっさりしたスープに深みを添えるとされる。
どう作るのか
緑豆春雨(あるいは日本産春雨)を用意し、豚肉、エビ、イカ、白菜、人参、たまねぎ、きくらげなどの具材を炒める。鶏ガラスープや白湯スープをベースに、塩味や醤油味で仕立て、具材と春雨を合わせる。仕上げに、表面にしわがでるまで揚げたゆで卵をのせれば出来上がる。ランチや夕食、飲んだあとのしめとしても親しまれているとされる。
なぜこの形になったのか
中国福建省福州の家庭で祝い事の際に食べられていたスープ料理がルーツとされ、明治時代後期に華僑が長崎や熊本に伝えたと伝わる。フカヒレの代わりに春雨を、高級食材の燕の巣に見立てて揚げたゆで卵をのせる工夫がなされたとされ、縁起のよい料理として今に伝わっているという。福州ではこの卵を食べると安泰に暮らせると伝えられているとされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ熊本県
- 天草大王明治・大正期に天草で飼われた大型の肉用鶏が昭和初期に途絶えたのち、熊本県が約10年かけて復元したとされる。120〜150日齢で出荷され、日本最大級の地鶏という。
- がね揚げ拍子切りにしたさつまいもをしょうが入りの甘めの衣にくぐらせ、油で揚げた惣菜。天草の方言で「がね」はカニの意味で、揚げた形がカニの足に似ることから名付けられたという。精進料理としても使われる。
- 鯛そうめんタイの頭や中骨を煮た「あら炊き」の煮汁でそうめんを煮て食べる祝い料理。そうめんを使うのは特産地・島原の食文化の影響とされる。山都町馬見原では鯛を丸ごと姿煮にする「鯛めん」として伝わるという。
- たこ飯天日干しにした「干しダコ」を水でもどして刻み、ごぼうや人参と炊き込む、または後から混ぜるご飯。旨味が凝縮した干しダコを使うことが多く、天草市有明町の夏の風物詩とされる干しダコ干しの光景で知られる。
- 馬肉蕎麦熊本県阿蘇地域に伝わる、馬肉の甘辛いしぐれ煮を温かいそばにのせる料理という。馬肉文化が根づいた土地で、けが人や病人への薬膳料理として食べられてきた歴史を持つとされる。
- ぶたあえ茹でタコとなすを甘辛い麦味噌で炒め合わせた天草の家庭料理。かつて手に入りにくかった豚肉の代わりに、地元で獲れるマダコを使ったのが始まりとされ、名前だけ「豚和え」として残ったという。