麺
おざら
Ozara
ほうとうより細く切った麺を一度ゆでて冷水でしめ、温かい醤油だしにつけて食べる山梨の夏の麺。盆地特有の猛暑をしのぐ一品として、ほうとう専門店でも夏場に代わって出されると伝わる。
- 発祥: 山梨県
- 東京から西へ約110km
系譜
おざらほうとう
何でできているか
ほうとうより細く切った麺を一度ゆでて冷水でしめ、温かい醤油だしにつけて食べる。つるりとした喉ごしのよい冷たい麺と、あたたかいつゆの対比が際立つのが持ち味とされる。盆地特有の猛暑をしのぐ夏の一品として、夏場は「ほうとう」に代わって食卓にのぼり、お酒を飲んだ後の締めの一杯としてもよく好まれてきたという。
どう作るのか
小麦粉に食塩とぬるま湯を加えてよくこね、濡れ布巾をかけて30分ほど寝かせる。生地をのし板で丁寧にのばしてできるだけ細く切り、たっぷりの湯でゆでてから冷水でしっかりしめるとされる。麺つゆには肉や旬の野菜、きのこなどをたっぷりと加えて具だくさんに仕立てる家庭もとても多いと、昔から今にまで言い伝えられている。
なぜこの形になったのか
冬は極寒、夏は猛暑となる盆地特有の気候の中で、煮込んだままの熱い「ほうとう」では食べづらい夏場に、冷たく仕立てる工夫が生まれたと伝わる。一度ゆでて冷水でしめることで喉ごしが良くなり、暑さで食欲が落ちる夏でも食べやすくなったとされる。米が貴重だった時代の夏のごちそうとしても、長く親しまれてきたという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ山梨県
- あけぼの大豆の枝豆通常の1.6倍という大粒の「あけぼの大豆」を塩ゆでにする身延町曙地域の枝豆。明治から続く在来種だが機械化になじまず生産者の高齢化で希少となり、「幻の大豆」とも呼ばれてきたと伝わる。
- 甘納豆のお赤飯ささげや小豆を使わず、食紅で赤く色づけたもち米に甘納豆を混ぜ込む山梨の赤飯。ごま塩をかけると甘じょっぱく、祝いの席に欠かせないとされる。同様の甘い赤飯は遠く離れた北海道や東北の一部にもあると伝わる。
- あんびんさつまいも粉と小麦粉を熱湯でこね、あんを包んで叩いて平らにし蒸す峡南地域の菓子。あんを叩き入れる仕草が名前の由来とされ、廃校を機に地元が復活させた市川三郷町六郷の伝統食と伝わる。
- あわびの煮貝駿河湾でとれたアワビを醤油に漬けて樽で運び、馬の体温に揺られるうちに味がしみ込んだという甲州の名産。薄切りにして肝と盛り合わせ、しそやきゅうりを添えて食べると伝わる、海のない山梨に残る海の幸。
- 小豆ほうとう太めに切ったほうとう麺を、餅の代わりに小豆の汁粉に入れて煮る山梨の行事食。北杜市須玉町若神子の三輪神社の夏祭りは「ほうとう祭り」と呼ばれるほどで、赤い小豆の色が厄除けになるとされる。
- 平打ちタンメン山梨県甲府市発祥とされる、幅広の平打ち麺を使った塩味のタンメン。もやしや豚肉、白菜などの野菜がたっぷりのり、フェットチーネのような麺の食感が持ち味とされる。県内の複数の店に受け継がれている。