惣菜
いももち
Imomochi
ゆでたさつまいももち粉でペースト状にした生地であんを包み、きな粉をまぶす餅菓子。19世紀後半に鳴門にさつまいもが伝わって以降、手に入りやすい甘みとして各家庭で広まったとされる。
- 発祥: 徳島県
- 東京から西へ約510km
系譜
いももち出世いも
何でできているか
蒸したさつまいもにもち粉を加えてこねた生地であずき餡を包む、素朴な餅菓子。さつまいものほくほくとした甘みともち粉のもちもちとした食感が重なり、仕上げにまぶすきな粉の香ばしさがアクセントになる。徳島は鳴門市周辺を中心にさつまいも栽培が盛んで、穏やかな気候とミネラル分の多い土壌がさつまいもづくりに向くとされる。19世紀後半にさつまいもが伝わって以降、砂糖が貴重だった時代にも比較的手に入りやすい甘みとして親しまれてきたという。
どう作るのか
皮をむいたさつまいもをゆでるか蒸すかしてやわらかくし、もち粉、砂糖、塩、湯を加えてペースト状になるまで練り上げる。50gほどに分けてあんを包み、丸めてきな粉をまぶせば完成となる。さつまいもは切ってから時間が経つと変色しやすいため、皮をむいたら水にさらしておくのがポイントとされ、これによって鮮やかな黄色に仕上がる。
なぜこの形になったのか
かつて砂糖などの甘いものは高級品で、一般家庭には手が届きにくかったとされる。一方でさつまいもは甘みがあり比較的入手しやすく、満腹感も得られたことから、貴重な砂糖の代わりとして重宝されたと伝わる。秋の収穫を祝う「お亥の子さん」では「お亥の子餅」として作られ、正月の餅つきでも生いもをもち米とともに突き込む家庭があったという。稲刈りや芋の収穫後のおやつとしても親しまれてきたようだ。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ徳島県
- あめごのひらら焼き平たい石をかまどで数時間熱し、味噌で土手をつくってあめごや岩豆腐、こんにゃくを焼く祖谷地方の野外料理。平石を「ひらら」と呼ぶことが名の由来とされ、来客をもてなす料理として親しまれてきたという。
- 阿波晩茶徳島県那賀町・上勝町に伝わる、乳酸菌で発酵させる後発酵茶。夏以降に摘んだ硬めの葉を茹でて木桶に漬け込み、10日から2週間ほど乳酸発酵させたあと天日で干して作られ、爽やかな酸味を持つとされる。
- 阿波美豚標高400メートルの徳島県阿波市の山中で、米を中心とした飼料を与えて育てる豚。飼育担当者が日々飼料の配合を調整し、ストレスの少ない環境と遺伝子組み換え作物を避ける飼育を心がけているとされる。
- 阿波牛徳島県内で肥育される血統明確な黒毛和種。昭和37年の東京食肉市場での共励会出品を機に評価を高めたとされ、しっとりときめ細かな肉質と適度な脂が特徴という。格付けはA5・A4・B5・B4規格に限られるとされる。
- 阿波のいとこ煮一度ゆでてから干した「ゆで干し」のさつまいもを水で戻し、小豆と弱火で2時間ほど炊き合わせる。冬に乾物づくりが盛んな徳島らしく、うま味が凝縮した干し芋を使う体の温まる副菜とされる。
- 阿波ういろあんに上新粉や阿波和三盆などを加えて型に流し、蒸し上げるもちもちとした菓子。江戸期に阿波和三盆が完成した祝いにつくられ始めたとされ、名古屋や山口にも同系統のういろうがあるという。