惣菜
ンムクジプットゥルー
Nmukuji Puttoruu
さつまいものでんぷんを水で溶いて味噌で味つけし、油をひいたフライパンでのり状になるまで練り炒める。台風の多い沖縄では非常食としても作られてきたといい、砂糖を加えればおやつにもなる素朴な一品。
- 発祥: 沖縄県
- 東京から南西へ約1560km
何でできているか
芋くずを水で溶いて練るように炒めた、とろりとした沖縄県の一品とされる。“プットゥルー”という名の通り、でんぷん質がのり状にまとまった独特の食感が持ち味で、砂糖を加えればおやつに、ニラを加えればおかずになる。“ンム”は芋のことで、芋から取れる芋くずが家庭で常備されるようになったことから生まれた料理だという。
どう作るのか
芋くずをだしで溶き、味噌を加えて混ぜる。細く刻んだかまぼことにらを加え、油を多めに熱したフライパンで混ぜながら炒める。全体につやが出たら火を止め、熱いうちにいただく。ニラの代わりに黒砂糖を入れて甘く仕上げることもあるという。芋くずは焦げやすいため、火加減に注意しながら手早く仕上げるとよく、混ぜる手を止めないことがなめらかな仕上がりにつながるという。
なぜこの形になったのか
17世紀初頭に中国からさつまいもの苗が伝わり、飢えを救う救荒食物として広まったことをきっかけに、芋から取れる芋くずが各家庭で常備されるようになったと伝わる。台風の多い沖縄県では保存のきく芋くずが非常食としても重宝され、この料理も日常のおやつとして根づいたとされる。芋くずを使った料理には、炊いてつぶした芋と合わせて揚げる「ンムクジアンダギー」もあるという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ沖縄県
- 足ティビチ豚足を昆布や大根とともに、骨がすっと抜けるほどやわらかくなるまで長時間煮こむ。「弱った部位と同じ部位を食べる」という以類補類の考え方から、脚に不調のある人や年配者、美容を気づかう人に好まれてきたとされる。
- 泡盛タイ米と黒麹だけを使い、米のすべてを麹にする全麹仕込みで造る沖縄の蒸留酒。黒麹由来のクエン酸のおかげで高温多湿の気候でももろみが腐敗しにくいとされ、単式蒸留機で仕上げる焼酎の仲間だという。
- 血イリチー豚の血に、豚肉やにんじん、きくらげなどを加えて炒め煮にする沖縄独特の料理。不調のある部位と同じ部位を食べて補うという以類補類の考えから貧血予防の薬効も期待され、旧正月前や法事の供え物として振る舞われてきた。
- チムシンジ豚レバーと黄色い島にんじんを煎じるように煮こむ、体調がすぐれない時のための滋養食。食事がそのまま薬になるという「クスイムン」の考え方に基づく料理で、貧血気味の時や風邪をひいた時によくつくられてきた。
- ゴーヤーチャンプルー苦味のあるゴーヤーを、しっかりとした沖縄豆腐や卵と炒め合わせる。豆腐が入ってはじめて「チャンプルー」と呼べるとされ、夏の暑さで落ちる食欲とビタミンCの摂取を同時に支える一皿として、季節を問わず食卓に上る。
- 花酒日本最西端の与那国島でのみ製造される、アルコール分60度前後の蒸留酒。原料や製法は泡盛と同じだが、度数が泡盛の上限を超えるため酒税法上は「スピリッツ」として区別されているという。