惣菜
いさざ豆
Isaza Mame
琵琶湖の固有種イサザを大豆とともに甘辛く炊き合わせた佃煮風の一皿。畑の肉と呼ばれる大豆の滋味と淡白なイサザの旨みが響き合い、湖北地域では冠婚葬祭の席にも並ぶと伝わる。
- 発祥: 滋賀県
- 東京から西へ約320km
系譜
何でできているか
琵琶湖の固有種であるハゼの仲間、イサザと大豆を合わせて甘辛く煮た佃煮。イサザは体長七センチほどと小さいながら頭と口が大きいのが特徴で、味は淡白な旨味を持つという。畑の肉と呼ばれるほどタンパク質の豊富な大豆と合わせることで、魚の旨味と豆のこくが一体となった食べごたえのある味わいになり、ごはんとの相性もよいとされる。
どう作るのか
大豆は一晩水につけてから柔らかくなるまでゆでておく。鍋にイサザと調味料を入れて煮て、火が通ったらゆでた大豆を加えてさらに煮る。煮汁が少なくなったらみりんを加えて全体にからめ、あら熱を取ってから鍋返しをして仕上げる。みりんを最後に加えるのは照りを出すためだといい、家庭ごとに味の濃さが少しずつ違うという。
なぜこの形になったのか
イサザは琵琶湖の水深七十メートル前後という深い場所に生息し、九月から四月にかけて漁獲される冬場の湖の恵みとされる。湖北地域ではイサザが獲れるこの時期におこなわれる冠婚葬祭に欠かせない料理として位置づけられてきたと伝わる。畑の肉と称される大豆と組み合わせることで、限られた漁期の魚を保存もきく形で食べ継ぐ工夫になったと考えられる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
兄弟
同じ滋賀県
- 赤こんにゃく煮近江八幡の名物である鉄分で赤く染めたこんにゃくを、花かつおと醤油で炒り煮にした一品。煮ても色が抜けないのが特徴で、冠婚葬祭や学校給食にも欠かせない一皿として親しまれている。
- あめのいおご飯産卵のため川を遡上する琵琶湖固有種ビワマスを丸ごと米にのせて炊き込むご飯。「あめのいお」は雨の魚の意で、身と卵をほぐして混ぜ込む食べ方が秋の大鍋料理として伝わる。
- ビワマス刺身琵琶湖にのみ生息するサケ科の固有種ビワマスを三枚におろした刺身。初夏から夏にかけて脂がのり、地元では「琵琶湖の宝石」と呼ばれるほど貴重で、あまり流通しない魚と伝わる。
- 丁字麩のからしあえ滋賀のご当地麩である丁字麩をきゅうりと合わせ、辛子酢味噌で和えた定番料理。仏事の精進料理にも使われる麩を用い、もちもちとした食感とさっぱりとした後味が親戚の集まりで好まれると伝わる。
- 泥亀汁なすの皮に格子状の切れ目を入れてだし汁で煮て、味噌とすりごまを溶き入れた夏の汁物。近江商人の町、五個荘で生まれたとされ、汁のごまが泥、なすの甲羅模様が亀に見えることが名の由来という。