焼きもの
けんびき焼き
Kenbiki Yaki
新見市で旧暦六月一日の休みの日につくられる、小麦粉の生地をみょうがの葉で包んで焼いた菓子。食べると農作業で疲れた肩がほぐれるという言い伝えが残り、家族みんなで囲んで食べたという。
- 発祥: 岡山県新見市
- 東京から西へ約580km
岡山県新見市
何でできているか
小麦粉をこねた生地でそら豆のあんを包み、みょうがの葉で巻いて焼いた素朴な焼き餅とされる。焼き上がるとみょうがの葉の清涼な香りが生地にほんのりと移り、もちっとした食感の中からあんのやさしい甘みがのぞく。夏の農作業の合間にちょうどよい、香ばしく軽い口当たりの一品として親しまれてきた。収穫したばかりの小麦を使うことで香りが際立ち、ソラマメのあんの代わりに小豆あんを使う家庭もあるという。
どう作るのか
小麦粉に熱湯を加えてよくこね、生地を少し広げてそら豆のあんを包み込み、団子のような形に丸める。みょうがの葉で団子を包むように巻き付け、フライパンで両面に焼き色がつくまでじっくりと焼く。小麦粉に白玉粉と卵を混ぜて、よりもちもちとした生地に仕上げる作り方も伝わっている。焼き加減はみょうがの葉が軽く香ばしくなる程度にとどめ、焦がしすぎないのがこつとされる。
なぜこの形になったのか
旧暦六月一日は田植え後の休息日とされ、農家の嫁が里へ帰る「泥落としの日」であり、厄年の境目にもあたる節目の日だったという。この時期に庭先で簡単に手に入るみょうがの葉と、収穫したての小麦を組み合わせて作られるようになり、食べると農作業で疲れた肩がほぐれるという言い伝えとともに、家族で囲む習わしが続いてきたようだ。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ岡山県
- あみとだいこんの煮付け瀬戸内で秋の訪れを告げる、小エビのアミをだいこんと醤油や砂糖で煮付けた一皿。脂ののったアミとだいこんの相性がよく、荒天で漁に出られない冬場は塩漬けにして食べ継いだという。
- 手延べ素麺のばち汁浅口市鴨方町で、手延べそうめんをつくる際に端に出る「ばち」を大根や人参と煮た汁物。三味線の撥に形が似ることが名の由来とされ、そうめんよりコシが強く小さな子どもにも食べやすいという。
- ブリ雑煮岡山県南部で正月に食べる、出世魚ブリを具にした雑煮。ほうれん草や大根、百合根などの根菜を合わせ、縁起のよいブリで新年を祝う家庭料理として親しまれている。既存の「ブリ」は魚の食材ページで、本品は調理された正月料理のため新規作成。
- 千屋牛岡山県新見市で育つ黒毛和種。江戸時代からの最古級の蔓牛(系統牛)の血統を受け継ぐとされ、高梁川の清らかな水と肥沃な土壌の恩恵を受けて育つという。全国の和牛銘柄のルーツのひとつに数えられるという。
- デミかつ丼揚げたてのとんかつに熱々のデミグラスソースをかけた岡山市発祥のご当地丼。東京のホテルの洋食に感動した老舗の創業者が考案したと伝わり、店ごとにトッピングが違うという。
- 鮒めし児島湾の干拓地に育った水路でとれる寒鮒を、まな板で叩いてミンチにし、根菜と炒め煮した汁を熱いごはんにかけて食べる。「とんとこ汁」とも呼ばれ、冬の寒い日の料理として伝わる。矢掛町・玉野市・八浜にまたがる広域のため玉野市を代表点とした。