発酵・保存
しょうゆの実
Shoyu no Mi
大豆、小麦、米に種麹を混ぜた麹に塩水を加えて発酵させる庄内の万能調味料で、江戸時代から食べられてきたという。ご飯にのせたり冷奴や焼き肉のたれに使ったりと、麹の量で甘みや塩気が家ごとに変わる。
- 発祥: 山形県
- 東京から北へ約340km
何でできているか
大豆、小麦、米に種麹を混ぜてつくった麹に塩水を加え、かき混ぜながらじっくり発酵させた庄内地域の万能調味料とされる。粒の食感がほどよく残り、麹由来のまろやかな甘みと塩気が絡み合う奥深い味わいで、つくり手によって甘みや塩気の強弱に個性が出るという。地域によっては「あまびしょ」や「あまぴちょ」などとも呼ばれると伝わる。
どう作るのか
大豆、小麦(押し麦を使うこともある)、米に種麹を混ぜて麹をつくり、そこに塩水を加えて寝かせながら発酵させるのが基本とされる。塩水の代わりに醤油と酒を使う方法もあり、この場合は1週間から10日ほどで食べられるようになるという。仕込む時期によって仕上がりの味が変わり、稲刈りのあとに仕込むと日持ちが良いとも伝わる。
なぜこの形になったのか
庄内地域では江戸時代から食べられてきたとされ、大豆と米を育てる農村の暮らしの中で、余った穀物を無駄なく発酵させて活かす知恵として育まれたと伝わる。塩水でじっくり寝かせて発酵させる製法は保存性を高めるための工夫でもあり、季節を問わずどんな料理にも使える万能な調味料として、日々の食卓に自然と根づいていったという。
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ山形県
- 赤湯辛味噌ラーメン味噌スープの中央に辛味噌を乗せ、溶かしながら味を変えて食べる。
- あけびの味噌詰め焼きほろ苦いあけびの皮に、ひき肉と舞茸を味噌と砂糖で煎り煮したものを詰め、タコ糸で結んで焼く秋の一品。全国では実の白い部分を食べるのが一般的だが、山形では皮を食べる珍しい食文化が根づいているという。
- どんがら汁寒の時季にとれる寒ダラを頭から内臓まで余さず味噌仕立ての汁にする、庄内の漁師料理が起こりとされる冬の一杯。あぶらわたと呼ぶ肝のこくが決め手で、ねぎは入れず岩のりだけを添えるのが本来という。
- ハタハタの湯上げ産卵のため庄内浜に押し寄せるハタハタを丸ごと湯がき、大根おろしと醤油だけで食べるシンプルな冬の魚料理。うろこがなく下処理が手軽なことから、庄内の秋冬の食卓に定着してきたという。
- ひょう干しの煮物夏に摘んだすべりひゆ(ひょう)を茹でて天日干しにした保存食を戻し、糸こんにゃくや人参、油揚げと炒め煮にする正月料理。「今年も“ひょっと”していいことがありますように」と縁起を担いで食べるという。
- 芋煮里芋と牛肉、こんにゃく、ねぎを醤油味で煮込む秋の鍋で、最上川舟運の船頭が河原で棒ダラと里芋を煮て待ち時間を過ごしたのが始まりと伝わる。庄内側では豚肉と味噌仕立てに変わるなど地域差も大きい。