ごはんもの ── 丼物
豚丼(帯広)
Obihiro Butadon
炭火焼きの豚肉にうなぎの蒲焼き風のタレをからめて飯にのせた帯広の丼。当時高価だったうなぎの代わりに、養豚が盛んだった十勝で入手しやすい豚肉を使ったのが始まりとされる。
- 発祥: 北海道帯広市
- 東京から北へ約860km
北海道帯広市
何でできているか
炭火で焼いた豚肉に、うなぎの蒲焼き風の甘辛いタレをからめて飯にのせる。表面は香ばしく焦げ目がつき、噛むと肉汁とタレの甘みが同時にあふれる。白髪ねぎの辛みが脂の重さを断ち切り、飯にはタレだけがしっかりと染み込んでいる。厚めに切った豚肉が何枚も飯を覆う見た目も、この丼の特徴として広く知られており、蓋を開けた瞬間の香りも食欲をそそる。
どう作るのか
筋切りした豚ロースやバラ肉を炭火やフライパンで焼き、醤油・砂糖・みりんのタレを絡めて仕上げる。タレを何度もからめながら焼き重ねることで照りと香ばしさが増すとされ、炭火で焼くとより香ばしく仕上がるという。白髪ねぎを天盛りにして供するのが定番で、毎年2月10日は「豚丼の日」に制定されているとも伝わっている。
なぜこの形になったのか
一説には、明治末から養豚が盛んだった十勝地方で、昭和初期に帯広市内の食堂が、当時高価だったうなぎの代わりに入手しやすい豚肉を使い、蒲焼き風のタレをまとわせたのが始まりという。開拓期の労働者のためのスタミナ料理として、身近な豚肉を贅沢な蒲焼きに見立てた工夫がそのまま丼の形になったとされ、今では帯広を代表する食として全国に知られており、観光で訪れる人の目当ての一つにもなっている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ北海道
- 旭川ラーメン魚介と豚骨を合わせた醤油スープに、ラードで蓋をして冷めにくくする。厳寒の地ならではの工夫とされる。
- 旭川ホルメン旭川の二大名物、醤油ラーメンとホルモン焼きを掛け合わせたご当地グルメ。醤油だれのスープに、下処理して臭みを抜いた豚ホルモンをのせる。2010年代に旭川で考案された。
- ガタタンラーメン芦別市の郷土料理ガタタンをラーメンにした一杯。片栗粉でとろみをつけた塩味のスープに、野菜・肉・魚介など具だくさんの具を合わせ、仕上げに溶き卵を流し入れる。満州からの引き揚げ者が伝えた中華料理が土台にある。
- 美唄のとりめし鶏肉とたまねぎを米と一緒に醤油、砂糖、酒で炊き込むごはん。明治の開拓期、小作人に養鶏を勧めた農場主が、米が実った後に鶏をつぶして客をもてなしたのが始まりと伝わる美唄市中村地区の郷土料理。
- 美唄やきとりモツを中心に、内臓から皮まで一羽分を一本の串に刺す。
- びらとり和牛日高地方・平取町で育つ黒毛和種。昭和37年に島根県から導入された繁殖牛を礎とし、冬の厳しい寒さの中でじっくりと肥育され、味の濃さに定評があるという。札幌をはじめ道内で広く親しまれる銘柄になったという。