発酵・保存 ── 漬物
高菜漬け
Takana-zuke
からし菜の仲間である高菜を塩と唐辛子で漬け込む、九州各地の漬物。浅漬けの新漬けと半年かけて乳酸発酵させる古漬けがあり、刻んでご飯や炒め物にもよく使われるという。
何でできているか
高菜はからし菜の仲間で、葉や茎にピリリとした辛味を持つ。1メートル以上に育つ緑黄色野菜で、塩と唐辛子で漬け込む。数日で食べられる新漬けはあっさりとした浅漬けだが、半年かけて乳酸発酵させた古漬けはべっこう色に熟成し、酸味と辛味のコクが増すという。ビタミンやカロテン、鉄分、カルシウムを含む栄養豊富な保存食として重宝されてきた。
どう作るのか
高菜を葉先と根元が交互になるよう桶に並べ、塩と唐辛子の粉をまぶしながら隙間なく詰めていく。重石をして梅雨を越すと食べ頃になるという。食べるときは細かく刻み、しょうがやごまを添えるほか、油で炒めてご飯に混ぜる「高菜飯」としても親しまれ、おにぎりやチャーハン、餃子の具、パスタなどにも幅広く使われている。
なぜこの形になったのか
高菜は漬け菜を代表する葉物の一つとされ、九州各地で栽培条件に合わせた品種が育てられてきたとされる。熊本県阿蘇市では寒冷な気候と火山灰の大地で育つ阿蘇高菜が、機械ではなく手で折る「高菜折り」の収穫とともに、福岡県みやま市瀬高町では中国由来の青菜と在来種を掛け合わせた三池高菜が、それぞれの土地の産物として定着したという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
本場
- 熊本県 阿蘇市 本場
寒冷な気候と火山灰の大地で育つ阿蘇高菜を、収穫後すぐに塩と唐辛子で漬けてきた土地
- 福岡県 みやま市瀬高町 本場
温暖な気候と肥沃な土壌に恵まれ、中国由来の青菜と在来種を掛け合わせた三池高菜の栽培が明治期に定着した土地
対比
- 野沢菜漬け信州の冬を越すために大量に仕込む青菜の漬物。野沢温泉村に伝わった天王寺かぶが高冷地の気候で葉と茎だけを大きく育てる変わり種になり、霜に当たるほど甘く柔らかくなるという。
- おこもじの油炒め塩漬けの高菜を一晩水で塩抜きし、刻んでごま油で炒めて醤油と砂糖で味つける。古くなった漬物を美味しく食べ切る工夫から生まれたとされ、塩分を抑えられる家庭のソウルフードという。
- あちゃら漬け白瓜やなす、れんこんなど夏野菜を赤唐辛子入りの甘酢に漬ける。博多湾の南蛮貿易で伝わったポルトガル語「アチャール」が語源とされ、お盆に客をもてなす縁起物の奇数野菜を使うという。
- 広島菜漬け白菜の仲間である広島菜を浅漬けにした、広島市周辺だけで栽培される菜漬け。繊維が少なく歯切れがよいのが特徴で、太田川中州の肥沃な土地で古くから育てられてきたという。