甘味
ゆずかん
Yuzukan
ゆずの果汁でつくるゼリーに、皮や実のスライスを加えたさっぱりとしたデザート。ゆず生産量の多い那賀町で、「ゆべし」など加工品が広がる中、近年おやつとして手軽につくられるようになったという。
- 発祥: 徳島県那賀町
- 東京から西へ約540km
徳島県那賀町
系譜
ゆずかんゆべし
何でできているか
「ゆずかん」は、ゆずの皮や果肉、果汁をふんだんに使ったさっぱりとしたデザートで、ゆずゼリーとも呼ばれる。那賀町で盛んに栽培される「木頭ゆず」を使い、果汁をゼリー部分に、スライスした果肉や皮を彩りに使うことが多い。かむとゆずの爽やかな香りと酸味がふわりと広がり、暑い時季でも食べやすい後味の軽いおやつとなっている。ゆずを半分に切って中身をくり抜き、器として使うと華やかに仕上がる。
どう作るのか
ゆずを搾って果汁を取り、ゼリー液のベースに使う。皮や果肉は薄くスライスして彩りとして加えることが多く、器としてゆずの皮を使う場合は半分に切って中身を丁寧にくり抜く。ゼリー液を型や器に流し込んで冷やし固めれば完成で、家庭でおやつとして手軽に作られている。仕上げにゆずの薄切りを浮かべたり、蜂蜜を加えて甘みを調整したりと、家庭ごとに工夫を凝らすことも多いという。
なぜこの形になったのか
那賀町一帯は降水量が多く昼夜の寒暖差が大きいことから、良質なゆずが豊富に採れる土地として知られている。ゆべしやゆず酢など加工品づくりが盛んな土地柄の中で、より手軽におやつとして楽しめる形を模索した結果、ゆずかんが生まれたと考えられる。近年はデザートとしての需要が高まり、家庭だけでなく商品としても販売されるようになっているという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ徳島県
- あめごのひらら焼き平たい石をかまどで数時間熱し、味噌で土手をつくってあめごや岩豆腐、こんにゃくを焼く祖谷地方の野外料理。平石を「ひらら」と呼ぶことが名の由来とされ、来客をもてなす料理として親しまれてきたという。
- 阿波晩茶徳島県那賀町・上勝町に伝わる、乳酸菌で発酵させる後発酵茶。夏以降に摘んだ硬めの葉を茹でて木桶に漬け込み、10日から2週間ほど乳酸発酵させたあと天日で干して作られ、爽やかな酸味を持つとされる。
- 阿波美豚標高400メートルの徳島県阿波市の山中で、米を中心とした飼料を与えて育てる豚。飼育担当者が日々飼料の配合を調整し、ストレスの少ない環境と遺伝子組み換え作物を避ける飼育を心がけているとされる。
- 阿波牛徳島県内で肥育される血統明確な黒毛和種。昭和37年の東京食肉市場での共励会出品を機に評価を高めたとされ、しっとりときめ細かな肉質と適度な脂が特徴という。格付けはA5・A4・B5・B4規格に限られるとされる。
- 阿波のいとこ煮一度ゆでてから干した「ゆで干し」のさつまいもを水で戻し、小豆と弱火で2時間ほど炊き合わせる。冬に乾物づくりが盛んな徳島らしく、うま味が凝縮した干し芋を使う体の温まる副菜とされる。
- 阿波ういろあんに上新粉や阿波和三盆などを加えて型に流し、蒸し上げるもちもちとした菓子。江戸期に阿波和三盆が完成した祝いにつくられ始めたとされ、名古屋や山口にも同系統のういろうがあるという。