甘味
いももち
Imomochi
赤土の台地で育つさつまいもを、少なめのもち米と合わせて餅にする熊野灘沿岸の菓子。稲作に向かない土地で米を節約する知恵から生まれたとされ、冷めて固くなったら焼いて食べるという。
- 発祥: 和歌山県串本町
- 東京から南西へ約440km
和歌山県串本町
何でできているか
「いももち」は、蒸したさつまいもともち米を合わせてついた餅菓子で、より少ないもち米で餅をつくる知恵から生まれたとされる。さつまいも本来の自然な甘みが感じられ、砂糖が貴重だった頃はその甘みだけで仕上げていたという。今では好みで小豆あんを加えて甘みを足すこともある、道の駅などでも定番の素朴なおやつとなっている。
どう作るのか
蒸したさつまいもともち米を一緒について仕上げる。つくりたてはやわらかくそのまま食べられるが、冷めると固くなるため焼いて食べるのが一般的とされる。表面を焼くと香ばしさが加わり、中はもちもちとした食感が残る。砂糖が貴重だった時代はさつまいもの甘みだけで仕上げていたが、現在は好みで小豆あんを加えて甘さを足すこともある。
なぜこの形になったのか
熊野灘沿いの地域は海沿いにわずかな平野が開けるだけで、稲作に適した平地が少なかったとされる。一方、赤土の台地でも育ちやすいさつまいもは麦とともに栽培が盛んで、米に代わる主食として毎日食べられていたという。串本の植松弥助が江戸時代に九州から持ち帰ったことで栽培が広まり、貯蔵にも向くことから県南部各地に定着したと伝わる。いももちは、そうして貴重だったもち米を少量で済ませる知恵から生まれたとされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ和歌山県
- ぼうり皮をむかない里芋の親芋を二日がかりで煮込む、田辺市大塔村鮎川に伝わる正月の一皿。護良親王を助けなかった非礼を600年悔い、餅つきをやめて代わりに食べ続けたとの言い伝えが残っているという。
- ごま豆腐生のごまの皮を除いてすり潰し、高野山の水と吉野葛で練り上げて炊く精進料理の一つ。肉や魚を断つ修行僧のたんぱく源として生まれたと伝わり、今では高野山の土産や和食の一品として広く親しまれている。
- ゴンバチの油炒め正式にはイタドリという山菜「ごんばち」を、湯通しして皮をむいてから油でさっと炒める春の一品。折ると軽快な音が鳴るほど太くよく伸びた茎を使い、コリコリとした歯ごたえとほのかな酸味が持ち味だという。
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