惣菜
ぼうり
Bouri
皮をむかない里芋の親芋を二日がかりで煮込む、田辺市大塔村鮎川に伝わる正月の一皿。護良親王を助けなかった非礼を600年悔い、餅つきをやめて代わりに食べ続けたとの言い伝えが残っているという。
- 発祥: 和歌山県田辺市
- 東京から南西へ約460km
和歌山県田辺市
何でできているか
「ぼうり」は、里芋の親芋を皮ごと丸ごと二日かけて煮込んだ料理で、田辺市大塔村では600年にわたり正月に餅の代わりに食べる風習が残っている。二日かけてじっくり炊き込むことで芋の芯までほくほくと味がしみわたり、だし汁に醤油や砂糖で濃いめに味つけした、昔ながらの素朴な味わいが持ち味となっている。餅を入れた雑煮の代わりとして、そのまま塗りのお皿にのせて祝いの膳に添える。
どう作るのか
里芋の親芋を皮をむかずに丸ごと使い、1日目に4時間から6時間かけてじっくり炊いて味をしみ込ませる。2日目にはさらに煮詰めて仕上げる。だし汁に醤油や砂糖を加えて濃いめに味つけするのが特徴で、二日がかりの手間によって芋の芯まで味がしみわたる。正月前になるとこうして仕込んでおき、餅を入れた雑煮の代わりとして食べる。
なぜこの形になったのか
後醍醐天皇の皇子・護良親王が鎌倉幕府に追われて熊野へ逃れた「大塔宮の熊野落」の際、大塔村鮎川の村人は山伏に扮した一行に正月の餅を分け与えなかったとされる。後にそれが護良親王だったと知った村人は非礼を詫び、以来600年にわたり正月に餅をつくことをやめ、代わりに里芋の親芋「ぼうり」を煮て食べるようになったと伝わる。1935年に六百年忌の法要へ参列し供養したことを機に正月餅の風習が戻ったが、「ぼうり」を食べる文化は今も一部に残っているという。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
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- ごま豆腐生のごまの皮を除いてすり潰し、高野山の水と吉野葛で練り上げて炊く精進料理の一つ。肉や魚を断つ修行僧のたんぱく源として生まれたと伝わり、今では高野山の土産や和食の一品として広く親しまれている。
- ゴンバチの油炒め正式にはイタドリという山菜「ごんばち」を、湯通しして皮をむいてから油でさっと炒める春の一品。折ると軽快な音が鳴るほど太くよく伸びた茎を使い、コリコリとした歯ごたえとほのかな酸味が持ち味だという。
- はたごんぼずし橋本市西畑地区の急斜面の赤土で育つ、太くて丸みのある「はたごんぼ」を輪切りにし、中心をくり抜いて酢飯を詰める。一時は栽培が途絶えかけたが、地元組合が2013年に約70年ぶりに復活させたという。
- いがみの煮付け県南部でブダイと呼ばれる磯魚「イガミ」を丸ごと甘辛く煮付ける一皿。冬に岩場の海藻を食べて臭みが抜けて美味になることから、田辺市周辺では正月に鯛の代わりに尾頭付きで供える習慣が伝わるという。
- いのこ餅うるち米ともち米に里芋を炊き込んでつぶし丸めた餅に、塩を効かせた小豆あんをまとわせる。旧暦10月の亥の日、実りに感謝して田の神に供える行事食とされ、県南部の一部では秋祭りでもつくられているという。
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