甘味
炭酸まんじゅう
Tansan Manju
小麦粉の生地に重曹とベーキングパウダーを加えて発酵させ、あんを包んで蒸したまんじゅう。ほんのり苦味のある生地と甘いあんの対比が持ち味で、砂糖が貴重だった頃はごちそう扱いだった。
- 発祥: 群馬県
- 東京から北西へ約100km
系譜
何でできているか
小麦粉の生地に重曹を混ぜて蒸し上げたまんじゅうで、あんを包んだ生地は蒸すことでふっくらと膨らむ。噛むと重曹特有のほのかな苦みと生地の甘みが同時に感じられ、砂糖が貴重だった時代には、この甘さこそがごちそうだったと伝わる。蒸し上がりの生地はほんのりと黄みを帯び、しっとりとした口当たりの中にあんの甘みがじんわりと広がる。
どう作るのか
小麦粉に重曹とベーキングパウダー、砂糖を加えて生地を作り、あんを包んで丸める。蒸し器でじっくり蒸気を通せば、生地がふっくらと膨らんで出来上がる。地域によってはそば粉を混ぜたりニラなどの具を包んだりと、家庭ごとに工夫が加えられてきたという。生地には重曹に加えベーキングパウダーも合わせることでふっくらとした仕上がりになり、あんを均一に包み込むよう丁寧に丸めるのがこつと伝わる。
なぜこの形になったのか
火山灰質の土壌で水はけがよく、冬の長い日照時間にも恵まれた群馬は小麦の栽培に適しており、小麦粉を使った郷土料理が数多く育まれてきた。重曹で生地を膨らませる製法は、貴重な砂糖を使ったまんじゅうを特別な日のもてなしとして手軽に用意するための工夫だったと考えられている。貴重な砂糖を使った甘い菓子は、農作業が一段落した際のご褒美や、先祖への供え物としても扱われてきたという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
兄弟
同じ群馬県
- 藤岡ラーメンあっさりした醤油スープの中華そば。町の食堂文化に根付く。
- あまねじ甘く煮た小豆汁に、水で練った小麦粉の団子を落として煮込むおやつ。渋川市で主に食べられ、川場村では「あまだんご」と呼ぶ。農作業の合間にとる小昼飯の甘味として親しまれてきた。
- 鮎塩焼き群馬県魚の鮎を、生きたまま串にジグザグに刺して塩をふり、炭火で焼き上げたシンプルな一品。神流川の鮎は香り高く身が締まり、6月の解禁とともに県内外から食通が訪れる。
- 呉汁すりつぶした大豆の「呉」を、旬の野菜と一緒に味噌汁に加えて煮込む一品。大豆の産地・群馬で新豆の採れる秋から冬にかけて作られ、体を芯から温める栄養食として親しまれてきた。
- かて飯米に麦や豆、大根などの「かて」を加えて炊いたご飯。米不足の時代のかさ増し料理が起源で、現在は五目ご飯として親しまれる。学業成就を願う天神講の日に供されることが多い。
- ソースカツ丼鰻のたれにウスターソースを合わせたオリジナルソースにくぐらせた豚ヒレカツを、ご飯にのせた丼。織物業の街・桐生市で出前のごちそうとして広まり、県内各地に定着した。