ごはんもの ── 寿司ネタ
大トロ
Otoro
マグロの腹身のうち、もっとも脂肪が多い部位。かつては足が早く傷みやすいため「猫またぎ」とまで呼ばれたが、冷凍技術の進歩と食生活の変化で今日もっとも珍重される部位になったとされる。切り付けにも独特の配慮がいるという。
系譜
大トロマグロ
何でできているか
大トロはマグロの腹身のうち、もっとも脂肪が多い部位。筋に沿って白い脂が層をなし、口に入れるとすぐに脂が溶けて甘みが広がる。赤身のような鉄分の香りはほとんど感じられず、脂の重さそのものを味わうネタだという。断面はさくら色を帯び、光を受けると霜降りのように輝いて見えるとされ、一尾のうちでも取れる量はごくわずかだという。
どう作るのか
一尾のマグロを解体する際、脂のりが最も強い腹の部分を見極めて切り分ける。脂が多いぶん身が柔らかく崩れやすいため、切り付けには薄めの刃づかいが求められるとされる。炙って脂を軽く溶かしてから握る店もあり、常温に近づけてから供することで脂の香りを立たせる工夫もあるという。冷えたままでは脂が固まり本来の甘みが出にくいとされる。
なぜこの形になったのか
冷蔵技術がなかった時代、脂の多い部位は傷みが早く生臭さも出やすいため、猫すら見向きしないという意味で「猫またぎ」と蔑まれたと伝わる。戦後に冷凍技術が進み、脂を好む食生活への変化が重なった1960年代以降、大トロは一転して珍重される部位になったとされ、今では中トロや赤身よりも高値で取引されることが多いという。かつての評価が丸ごと反転した珍しい例とされ、今日では寿司屋の看板ネタとして扱われることも多いという。