ごはんもの
鯛めし
Taimeshi
うろこと内臓を取った鯛を丸ごと釜に入れ、米と炊き込む瀬戸内の漁師料理。岩礁の多い海底と潮流が鯛の産卵に適し、約380年前に始まったという鞆の浦の鯛しばり網漁とともに伝わってきた。
- 発祥: 広島県福山市(鞆の浦)
- 東京から西へ約600km
広島県福山市(鞆の浦)
系譜
鯛めし鯛めん/鯛そうめん
何でできているか
鯛を丸ごと釜に入れ、米と一緒に炊き込んだ、瀬戸内海沿岸を代表する炊き込みご飯とされる。骨から出る上品なだしが米にしみ込み、ほぐした身の淡白な旨みとともに広がる。もともとは漁師料理として、獲れたての鯛をそのまま炊き込んで食べていたとされる。瀬戸内海沿岸の各地で作られ、地域や家庭によってだしの取り方や具材に違いがあるという。
どう作るのか
鯛の内臓とうろこを取って丸ごと釜に入れ、しょうゆ、酒、みりん、塩などで味付けをして米とともに炊く。ごぼうやにんじんなどを加える作り方もある。炊き上がったら骨を取り除きながら身をほぐし、ご飯と混ぜ合わせて盛り付ける。炊き上がりの香りと骨からにじみ出るだしのうまみが、鯛めしならではの味わいを生み出す。炊き上がりの香りが食欲をそそる。
なぜこの形になったのか
瀬戸内海は岩礁性の起伏の多い海底地形と潮流により真鯛の産卵や生息に適しているとされ、昔から鯛漁が盛んに行われてきた。福山市鞆の浦では江戸時代に始まったといわれる「鯛しばり網漁法」が伝わり、初夏に産卵のため集まる鯛を網で囲って獲る漁が今も行われている。豊かな鯛漁を背景に、漁師飯から地域の郷土料理へと広がっていったようだ。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
同じ広島県
- あなご飯かば焼きにしたあなごをそぎ切りにし、だしで炊いたご飯に敷き詰める宮島の一皿。速い潮流にもまれて脂がのる「瀬戸のあなご」を使い、明治34年に宮島口駅の駅弁として売られたのが始まりと伝わる。
- あずま酢でしめたママカリを、酢飯の代わりに味付けしたおからで握る沿岸部の寿司。米が貴重だった時代、手に入りやすいおからで代用したのが始まりとされ、祭りや正月に振る舞われてきた。
- 美酒鍋鶏肉や砂ずり、豚肉を塩こしょうと日本酒だけで仕立てた鍋。銘醸地・西条の杜氏が酒造りの合間に食べたまかない料理が始まりで、利き酒の邪魔をしない薄味が特徴と伝わる。
- 江波巻きご飯に広島菜漬けとかつおぶし、白ごまをあえ、焼きのりで巻いた江波地区ののり巻き。片手で漕ぎながら食べられるよう両端を閉じることもあり、のり漁師の船上食として広まったと伝わる。
- 府中焼き広島県府中市に伝わるお好み焼きの一種で、豚バラ肉の代わりに牛や豚のひき肉を生地に混ぜ込んで焼く。ひき肉が生地全体に広がるため、噛むたびに肉の旨みが感じられるとされる。
- がんす魚のすり身をパン粉で揚げた広島・呉の練り物。昭和20年代、蒲鉾製造で出るすり身の余りを活用する方法として考案されたとされ、揚げかまぼこにフライ衣をまとう独特の組み合わせを持つ、地元で長く愛される味である。