ごはんもの
おみいさん
Omiisan
いりこ出汁で煮た米に里芋や大根、大根の葉をたっぷり加え、味噌を溶かして仕上げる雑炊。米が貴重だった時代、冷や飯やみそ汁の残りを使い切る日常食として親しまれてきたとされる。
- 発祥: 徳島県
- 東京から西へ約510km
系譜
おみいさんそば米雑炊
何でできているか
みそで味を調えた雑炊「おみいさん」は、里芋や大根、大根の葉をたっぷり加えて仕立てる素朴な一杯。みそのコクと根菜の甘み、いりこだしの旨みが溶け合い、体の温まるやさしい味わいになる。名前は、みそを昔「みい」と呼び、そこに尊敬の意を表す「お」と「さん」を添えたことに由来するとされる。豆腐やニラを加えるなど、決まった具材はなく各家庭で少しずつ違う顔を持つ。
どう作るのか
里芋、大根、大根の葉を細かく切り、煮干しのだし汁に洗った米とともに入れて煮立たせる。沸騰したら弱火にし、みそを塊のまま鍋全体に散らして溶かしていく。30分ほど煮るとみそが溶けて米がやわらかくなるので、かき混ぜて蒸らせば完成。みそを入れたあとにかき混ぜると焦げやすいため、そのままにしておくのがコツだという。
なぜこの形になったのか
米が育ちにくかった徳島では、米に大根や里芋をたっぷり加えてかさを増やす工夫が各地でされてきたと伝わる。おみいさんもその一つで、出荷できない小米や冷や飯、みそ汁の残りなど、無駄にできない食材を使い切るための日常料理として根づいたようだ。体を温める効果もあることから冬によく食べられたほか、体調がすぐれないときに家族が作る料理としても親しまれてきたという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ徳島県
- あめごのひらら焼き平たい石をかまどで数時間熱し、味噌で土手をつくってあめごや岩豆腐、こんにゃくを焼く祖谷地方の野外料理。平石を「ひらら」と呼ぶことが名の由来とされ、来客をもてなす料理として親しまれてきたという。
- 阿波晩茶徳島県那賀町・上勝町に伝わる、乳酸菌で発酵させる後発酵茶。夏以降に摘んだ硬めの葉を茹でて木桶に漬け込み、10日から2週間ほど乳酸発酵させたあと天日で干して作られ、爽やかな酸味を持つとされる。
- 阿波美豚標高400メートルの徳島県阿波市の山中で、米を中心とした飼料を与えて育てる豚。飼育担当者が日々飼料の配合を調整し、ストレスの少ない環境と遺伝子組み換え作物を避ける飼育を心がけているとされる。
- 阿波牛徳島県内で肥育される血統明確な黒毛和種。昭和37年の東京食肉市場での共励会出品を機に評価を高めたとされ、しっとりときめ細かな肉質と適度な脂が特徴という。格付けはA5・A4・B5・B4規格に限られるとされる。
- 阿波のいとこ煮一度ゆでてから干した「ゆで干し」のさつまいもを水で戻し、小豆と弱火で2時間ほど炊き合わせる。冬に乾物づくりが盛んな徳島らしく、うま味が凝縮した干し芋を使う体の温まる副菜とされる。
- 阿波ういろあんに上新粉や阿波和三盆などを加えて型に流し、蒸し上げるもちもちとした菓子。江戸期に阿波和三盆が完成した祝いにつくられ始めたとされ、名古屋や山口にも同系統のういろうがあるという。