麺 ── ラーメン
かつラーメン
Katsu Ramen
醤油ラーメンの上に、卵でとじたとんかつを丸ごと一枚乗せる。カツ丼とラーメンを一度に味わいたいという発想から生まれたという、秋田県小坂町のボリューム満点の一杯。
- 発祥: 秋田県鹿角郡小坂町
- 醤油
- 東京から北へ約520km
秋田県鹿角郡小坂町
何でできているか
丼の主役は、醤油ラーメンの上に堂々と乗る一枚のとんかつ。揚げたてのカツを卵でふんわりとじたものを丸ごと乗せる店が多く、下のラーメンはくどくならないよう、あっさりした醤油スープに仕立てられている。麺をすすったあとにカツを頬張り、卵の甘みと衣の食感を楽しむという、ラーメンとカツ丼のいいとこ取りのような一杯になっている。
どう作るのか
ベースになるのは町の食堂で出す普通の醤油ラーメン。そこにとんかつ専用の下ごしらえと揚げの工程が加わる。カツをそのまま乗せる店もあれば、溶き卵でとじてから乗せる店もあり、家庭や店ごとにレシピの幅がある。一つの丼の中でラーメンとカツ丼という別々の料理を両立させるため、スープの塩味や麺の量とのバランスを取りながら仕上げるのがこの一杯の勘どころとされる。
なぜこの形になったのか
一説によると、約40年前、小坂町で毎年開かれる七夕祭りの山車作りに携わった人たちが、ラーメンもカツ丼も両方食べたいと言い出したのが始まりという。当初は店の裏メニューだったものが口コミで評判を呼び、町の名物として定着した。特別な素材ではなく、身近にあるカツ丼とラーメンを一つの丼にまとめてしまうという発想そのものが、この一杯の成り立ちを物語っている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ秋田県
- 赤ずし(赤漬け)炊いたもち米を赤じそと酢で漬け込み、短く発酵させる秋田の郷土ずし。魚を使わない植物性のなれずしで、お盆に仏前へ供える行事食としても伝わる、酸味の穏やかな夏の一皿。
- あさづけ砕け米をすりつぶして煮た生地を砂糖と酢で味付けし、きゅうりやかぶ、季節の果物を混ぜた甘酸っぱいデザート。一般的な漬物の「浅漬け」とは別物で、田植えを終えた女性たちを癒やす夏の一品と伝わる。
- 江戸系ラーメン醤油ラーメンの表面に、ニラとニンニクを効かせた真っ赤な辛味噌がひとかたまり乗る。溶かしながら食べ進めるうち、あっさりした一杯が少しずつ濃く辛く変わっていく秋田市のご当地ラーメン。
- 干し餅切った餅を吊るし編みにして水に浸し、冬の寒さで凍らせては乾かす「寒締め」を経て作る保存菓子。さくさくとした歯ごたえが持ち味で、腹持ちがよく、田植えの合間の軽食として食べられてきたと伝わる。
- いものこ汁里芋の子芋や孫芋「いものこ」を、鶏肉やきのこ、山菜とともに味噌や醤油で煮た秋の汁物。横手市山内地域特有の土壌で育つ里芋は柔らかな歯ごたえが特徴で、県北のきりたんぽ鍋と対比される郷土料理と伝わる。
- 秋田の酒軟水を使い、灘の硬水とは対照的にまろやかで細やかな酒質を目指すとされる秋田の酒。雪に埋もれた蔵が保温効果を持つことを生かし、低温でじっくり発酵させる造りが伝統として続いているという。