茶・飲料 ── 日本茶
碾茶
Tencha
覆いをかけて育てた新芽を、揉まずに蒸してそのまま乾かした茶で、抹茶の原料になる。揉む工程がないため葉の形がそのまま残り、渋みが少なく、磯の香りに似た強い旨みを持つとされる。
- 抹茶・粉茶
系譜
碾茶
何でできているか
玉露などと同じく覆いをかけて育てた新芽を使うが、蒸したあと揉む工程を行わずにそのまま乾燥させる点が煎茶や玉露と違うとされる。揉まないため茶葉は板状のまま残り、これを砕いて葉脈や茎を取り除いたものが碾茶とされる。磯の香りに似た独特の香りと、渋みの少ない濃い旨みを持つという。板状のまま乾かした葉は艶やかな濃緑色を保ち、砕く前の状態でも磯の香りがはっきりと感じられるとされる。
どう作るのか
被覆栽培で育てた新芽を蒸して発酵を止めたあと、揉まずに碾茶炉と呼ばれる専用の乾燥機でそのまま乾かす。乾燥後、葉脈や茎を取り除く工程を経て、茶臼で挽くと抹茶になるとされる。揉む手間がないぶん製法は単純に見えるが、被覆と乾燥の管理に高い技術が要るという。碾茶炉での乾燥は100度前後の熱風を通すのが目安とされ、揉まない分、煎茶より短い時間で仕上がるという。
なぜこの形になったのか
煎茶の揉み工程は茶葉の水分を抜いて保存性を高める意味も持つとされるが、粉にして飲む抹茶では葉の形を保つ必要がなく、揉まずに乾かす碾茶という製法が独立して発達したと伝わる。近年は宇治だけでなく愛知県西尾市や鹿児島県でも生産が拡大し、抹茶需要の高まりを支えているという。宇治や西尾のような盆地・平野の穏やかな気候が、被覆と乾燥という繊細な管理を安定して続けやすくしてきたと伝わる。