鍋・汁もの ── 鍋料理
寄せ鍋
Yosenabe
鶏肉や白身魚、海老に、白菜や葱、きのこ、豆腐などを取り合わせて煮る鍋。決まった型は無く、ごった煮ではなく具の煮え加減と鍋つゆの澄み方を保つのが理想とされる。決まった土地は持たず、冬の食卓で囲む鍋として広まった。
- 醤油・寄せ鍋系
系譜
何でできているか
鶏もも肉、白身魚、海老といった肉や魚介に、白菜、長ねぎ、春菊、人参、椎茸、えのき、豆腐、葛切りなどを取り合わせる。出汁に具の旨みが重なって深みが出るのが寄せ鍋で、白菜の甘みや魚介のだしが混じり合い、汁そのものも味わいどころになる。鍋の中では、肉や魚介から出る旨みが野菜に移り、野菜から出る甘みが汁に戻るので、食べ進めるほど味わいが変化していく。
どう作るのか
出汁を張って火にかけ、火の通りにくい具から順に入れ、煮立たせすぎないようにして食べる。強く煮立てると具の旨みが汁に流れ出てしまうので、煮えばなを食べていくのがよいとされる。最後に鍋つゆでご飯を煮て、溶き卵でとじる雑炊で終える食べ方が定番になっている。火の通りにくい根菜やきのこを先に入れ、白菜の芯、豆腐、肉や魚介の順に加えていくと、具の火の入りが揃いやすい。
なぜこの形になったのか
寄せ鍋という名は、さまざまな具を寄せ集めて煮ることに由来すると考えられる。農林水産省の解説では、相撲部屋の「ちゃんこ」は力士が食べる料理を指し、同じ食材を一般の人が作れば寄せ鍋と呼ぶという。特定の土地の鍋ではなく、冬の食卓で具を囲んで煮る形が各地の家庭に根づいたもの、と読める。一つの鍋を囲み、各自が好みの具を取る形は、家族や仲間で食卓を共にする場の習わしと結びついてきたと考えられる。