惣菜
馬刺し
Basashi
薬味を添えた生の馬肉を醤油につけて食べる山梨の一品。かつて貢馬の国と呼ばれ富士登山の荷揚げにも馬が使われたことから、安価な馬肉料理が根づいたとされ、吉田のうどんに甘辛く煮てのせることもある。
- 発祥: 山梨県
- 東京から西へ約110km
何でできているか
薄く切った生の馬肉に、おろししょうがやにんにく、ねぎなどの薬味をたっぷりのせて醤油につけて食べる。とろりとした舌ざわりと、甘みのある軽い脂が持ち味とされる。臭みがとても少なく、噛むほどに肉本来の旨みがじんわりと口に広がるという。地元の名物である吉田のうどんには甘辛く煮た馬肉をのせることもあると伝わる。
どう作るのか
薄切りにした馬肉に、おろししょうが、おろしにんにく、ねぎ、七味やわさびなど好みの薬味をのせ、醤油をつけて食べるのが一般的とされる。良質な赤身は柔らかく、脂の甘みがじんわりと際立つという。甘辛く煮た馬肉をうどんの具材としてのせて食べる食べ方も、地元では昔から親しまれているとされる。低アレルギー食品としても評価されており、子どもから年配者まで食べやすいとされる。
なぜこの形になったのか
山梨は古くから馬の産地として知られ、富士登山が盛んだった頃は荷揚げ用の馬が多く飼われていたと伝わる。馬が身近な存在だったことから、比較的安く手に入る馬肉の料理が暮らしにしっかりと根づいたとされる。栄養価が高く低脂肪であることも、山あいの労働の多い暮らしを支える食材として重宝されてきた理由とみられる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ山梨県
- あけぼの大豆の枝豆通常の1.6倍という大粒の「あけぼの大豆」を塩ゆでにする身延町曙地域の枝豆。明治から続く在来種だが機械化になじまず生産者の高齢化で希少となり、「幻の大豆」とも呼ばれてきたと伝わる。
- 甘納豆のお赤飯ささげや小豆を使わず、食紅で赤く色づけたもち米に甘納豆を混ぜ込む山梨の赤飯。ごま塩をかけると甘じょっぱく、祝いの席に欠かせないとされる。同様の甘い赤飯は遠く離れた北海道や東北の一部にもあると伝わる。
- あんびんさつまいも粉と小麦粉を熱湯でこね、あんを包んで叩いて平らにし蒸す峡南地域の菓子。あんを叩き入れる仕草が名前の由来とされ、廃校を機に地元が復活させた市川三郷町六郷の伝統食と伝わる。
- あわびの煮貝駿河湾でとれたアワビを醤油に漬けて樽で運び、馬の体温に揺られるうちに味がしみ込んだという甲州の名産。薄切りにして肝と盛り合わせ、しそやきゅうりを添えて食べると伝わる、海のない山梨に残る海の幸。
- 小豆ほうとう太めに切ったほうとう麺を、餅の代わりに小豆の汁粉に入れて煮る山梨の行事食。北杜市須玉町若神子の三輪神社の夏祭りは「ほうとう祭り」と呼ばれるほどで、赤い小豆の色が厄除けになるとされる。
- 平打ちタンメン山梨県甲府市発祥とされる、幅広の平打ち麺を使った塩味のタンメン。もやしや豚肉、白菜などの野菜がたっぷりのり、フェットチーネのような麺の食感が持ち味とされる。県内の複数の店に受け継がれている。