惣菜
のっぺい
Noppei
里芋やごぼう、れんこんなど冬の根菜を鶏肉とだしで煮て、片栗粉で軽くとろみをつける萩の一皿。仏事に出す際は鶏肉を抜きぎんなんを加えるなど、精進の作法が今も残ると伝わる。
- 発祥: 山口県
- 東京から西へ約770km
何でできているか
里芋やごぼう、れんこん、にんじんといった冬の根菜を鶏肉とだしで煮て、片栗粉で軽くとろみをつける萩の一皿になっている。とろみが具材とだしをまとめ、ほっこりとした根菜の口当たりに鶏肉のうまみが重なり、体の温まる冬の定番として親しまれてきた。仏事に出すときは鶏肉を抜いてぎんなんを加える精進仕立てにするなど、行事に合わせた作り分けが今も残っているという。
どう作るのか
塩をふった里芋と、もどした干ししいたけ、下ゆでしたごぼうとれんこん、こんにゃく、にんじん、鶏肉を食べやすく切り、だしで煮る。煮立ったら砂糖や薄口しょうゆ、みりんを加えて中火で40分ほど煮込み、仕上げに水溶き片栗粉でとろみをつける。とろみ付けにはかつてくず粉が使われていたが、今は片栗粉や小麦粉に替わっているといい、家庭ごとにとろみの濃さも異なるという。
なぜこの形になったのか
のっぺいという名の料理は各地にあるが、萩のものは城下町の日々の食卓と、祭りや仏事のもてなしを兼ねてきたことから、冬に採れる根菜を中心にした仕立てが定着したとみられる。仏事用に鶏肉を抜きぎんなんを加える作法は、精進の考え方を一皿の中で使い分ける知恵として伝わってきたという。隣接する地域では汁気を多めにするなど、土地ごとの違いも残っている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ山口県
- チキンチキンごぼう一口大の鶏の唐揚げと素揚げごぼうを甘辛いたれで絡める学校給食発の一皿。1995年ごろ、家庭のレシピを募って栄養教諭が考案したとされ、口ずさみやすい名前とともに県民食として広まったと伝わる。
- ちしゃなます下関の伝統野菜「かきちしゃ」をちぎり、酢みそやほぐした焼き魚、しらすであえる料理。関ヶ原の戦い後、困窮した毛利の人々が考案したと伝わり、「ちしゃもみ」の名でも親しまれている。
- 長州黒かしわ山口・島根両県原産で国の天然記念物とされる黒柏鶏の血を生かして山口県の試験場が開発した地鶏をもとに、養鶏場が仕上げて名付けたとされる。80〜100日ほど平飼いで育てられるという。
- ふぐの唐揚げしょうゆや酒で下味をつけたふぐを片栗粉で揚げる下関・萩の家庭料理。刺身や鍋には高級なトラフグが使われる一方、唐揚げには安価なシロサバフグが使われることが多いと伝わる。
- ふく刺し透けるほど薄く切ったふぐの刺身を菊の花のように盛り付ける下関の一皿。福を呼ぶ意味で「ふぐ」を「ふく」と呼び、ポン酢と薬味で食す。明治21年、下関でのみふぐ食が解禁されたのが始まりと伝わる。
- ごぼう巻きかまぼこ作りで残るエソの皮をごぼうに巻きつけ、たれにつけて焼く萩の一品。焼き抜きかまぼこの高級魚エソを使うため、水産加工会社がかまぼこと一緒に作ることが多く、祭りや花見の弁当に欠かせないと伝わる。