惣菜
ゆべし
Yubeshi
ゆずの皮を刻み、砂糖と醤油でとろみが出るまで甘辛く煮詰める保存食。ゆず生産量が全国有数の那賀町相生地区では、11月ごろゆずが完熟する時期にじっくり仕込み、副食やお茶請けにするという。
- 発祥: 徳島県那賀町
- 東京から西へ約540km
徳島県那賀町
系譜
ゆべしゆずかん
何でできているか
ゆべしは、ゆずの皮を細かく刻み、砂糖としょうゆでじっくり煮詰めて仕上げる甘辛い保存食。ゆずの苦みと酸味に砂糖のコクとしょうゆの塩気が溶け合い、噛むほどに皮のほろ苦さと柑橘の香りが広がる。那賀町相生地区をはじめとする那賀川上流や勝浦地方、上勝町では、地元産のゆずを使って各家庭で作られてきたとされる。そのままご飯のおかずにするほか、酒のつまみやお茶漬けの具材として楽しまれることもある。
どう作るのか
ゆずの皮を細かく刻み、たっぷりの水を張った鍋に入れて水から煮る。沸騰したら水を替える作業を繰り返して苦みをやわらげ、砂糖としょうゆを加えて粘り気が出るまでじっくり煮詰める。皮は先に天日干しにして保存しておき、使う際にふやかしてから煮詰めることもあるという。手間と時間をかけて仕上げる分、日持ちのする常備菜になる。
なぜこの形になったのか
那賀町一帯は降水量が多く、昼夜の寒暖差が大きいことからゆず栽培に適した土地とされ、良質なゆずが豊富に採れる。収穫の最盛期である11月ごろ、果汁を搾った後の皮を捨てずに活用しようとしたことが、ゆべしが生まれた理由のひとつと考えられる。砂糖が貴重だった時代には頻繁には作れなかったが、家庭で砂糖を使いやすくなった昭和30年代以降に広まり、秋から春にかけておかずが少ない時期の副菜として重宝されてきたとされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ徳島県
- あめごのひらら焼き平たい石をかまどで数時間熱し、味噌で土手をつくってあめごや岩豆腐、こんにゃくを焼く祖谷地方の野外料理。平石を「ひらら」と呼ぶことが名の由来とされ、来客をもてなす料理として親しまれてきたという。
- 阿波晩茶徳島県那賀町・上勝町に伝わる、乳酸菌で発酵させる後発酵茶。夏以降に摘んだ硬めの葉を茹でて木桶に漬け込み、10日から2週間ほど乳酸発酵させたあと天日で干して作られ、爽やかな酸味を持つとされる。
- 阿波美豚標高400メートルの徳島県阿波市の山中で、米を中心とした飼料を与えて育てる豚。飼育担当者が日々飼料の配合を調整し、ストレスの少ない環境と遺伝子組み換え作物を避ける飼育を心がけているとされる。
- 阿波牛徳島県内で肥育される血統明確な黒毛和種。昭和37年の東京食肉市場での共励会出品を機に評価を高めたとされ、しっとりときめ細かな肉質と適度な脂が特徴という。格付けはA5・A4・B5・B4規格に限られるとされる。
- 阿波のいとこ煮一度ゆでてから干した「ゆで干し」のさつまいもを水で戻し、小豆と弱火で2時間ほど炊き合わせる。冬に乾物づくりが盛んな徳島らしく、うま味が凝縮した干し芋を使う体の温まる副菜とされる。
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