惣菜
せんぶきまげ
Senbuki Mage
福岡でわけぎを指す「せんぶき」をゆでて折り曲げ、タニシと酢味噌で和える。3月3日のひな節句に欠かせない筑豊地区の一皿で、寒くなる「たにし寒」の頃がタニシの旬だという。
- 発祥: 福岡県
- 東京から西へ約860km
何でできているか
福岡で「せんぶき」と呼ばれるわけぎに、タニシと酢味噌を合わせた料理。せんぶきはねぎより柔らかく甘みがあり、根元から2つに分かれているのが特徴とされる。せんぶきの緑とタニシの白があざやかな、春らしい一品だという。2月から3月にかけて美味しくなる野菜とされ、曲げて結ぶ独特の形が名の由来になっているという。
どう作るのか
せんぶきを色よく塩ゆでし、根元を折り曲げて結んでおく。ゆでたタニシと合わせて皿に盛り、白味噌や砂糖、からしを合わせた酢味噌をかけて食べる。タニシがない時期は、フカの尾をゆでたものやクジラの脂身などを代わりに添えることもあるという。酢味噌に少しずつ酢を加えてのばすのがこつとされ、彩りにも気を配るという。
なぜこの形になったのか
ひなの節句に必ずつくられてきたという料理で、せんぶきを曲げて盛りつけることから名がついたと伝わる。この地方では節句を1か月遅れで祝う風習があり、寒さが戻る節句の時期をタニシがよくとれる季節と結びつけて語られているという。せんぶきまげにせず、ざく切りにして日常のおかずにすることもあるそうで、春を告げる料理だとされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ福岡県
- あぶってかもスズメダイに塩をまぶして一晩おき、鱗も内臓も除かずに炙る。小骨が多く敬遠されがちな魚だが、明治期の博多湾で大量に獲れた際に塩をふって焼いてみたのが始まりと伝わる。
- あまぎのかわたけ朝倉市の黄金川だけで採れる天然の淡水海苔を、三杯酢や甘酢で和えて食べる。江戸時代には将軍への献上品だったと伝わる希少な食材で、現在は絶滅危惧種として保全活動が続くという。
- べたもち小麦粉の生地を平たい形にのばして蒸し、きな粉や小豆の粒あんをかけて食べる。豊前海でとれる舌平目「ベタ」の扁平な姿に見立てて名付けられたとされ、田植え後の祝いに欠かせないという。
- かぼちゃのだんご汁豊前市三毛門産の大玉かぼちゃをとろとろに煮て、練った小麦粉をちぎり入れる汁物。約450年前にポルトガル伝来という三毛門かぼちゃは、食べ物が乏しかった時代の命をつなぐ味だったという。
- ちゃんらー北九州市門司区の食堂で生まれたとされる麺料理。ちゃんぽん麺をいりこだしのうどん風つゆに入れた一杯で、長崎ちゃんぽんを食べたいが小遣いが足りない生徒のために考えられたと伝わる。