麺 ── 焼きそば
ホルそば
Horusoba
鳥取県東部で50年以上食べられている一皿。牛ホルモンと野菜を味噌だれで炒めた中に中華そばの麺を加えて仕上げる。焼肉屋やホルモン屋から生まれ、鳥取市を中心に今も広く提供されている。
- 発祥: 鳥取県鳥取市
- 東京から西へ約500km
鳥取県鳥取市
系譜
ホルそば
何でできているか
牛ホルモンの脂と味噌だれの甘辛さが先に立ち、そこに中華そばの麺がからんで香ばしさを添える。腸系のホルモンとハツやミノなどのミックス系があり、店によって梨を隠し味に使ったりにんにくを強めに効かせたりと、たれの濃さ・甘さ・辛さに幅があるという。噛むとホルモンの弾力と麺のコシが交互に感じられ、飲み物が進む味わいになる。
どう作るのか
牛ホルモンと野菜を味噌だれで炒め、その中に中華そばの麺を加えてさらに炒め合わせる。古くからの店ではたれを別添えにして自分で濃さを調整する「つけダレ」式が多く、新しい店では最初からたれを絡めて焼く「混ぜ系」が増えているとされる。ホルモンの下処理の仕方も店ごとに違い、臭みの取り方に工夫が凝らされている。
なぜこの形になったのか
一説によると、昭和30年代の鳥取市内の焼肉屋やホルモン屋で、ホルモンと野菜を味噌だれで炒めた中に中華そばを入れてみたところ好評だったのが始まりという。焼肉屋の味噌だれ文化と中華そばという別々の食材が、店先の思いつきで結びついた例と考えられる。締めの一品として麺を加える発想が、そのまま独立した料理に育っていった格好になり、今では単品としても頼める一皿として食堂の品書きに並んでいるという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ鳥取県
- あごちくわ鳥取でトビウオを指す「あご」のすり身を焼き上げるちくわ。表面の硬い焼き皮に包丁を入れると香ばしい音が響き、色濃く仕上がるのが普通のちくわとの違い。産卵期の春から夏が旬の初夏の味覚という。
- アカガレイの子まぶり子持ちのアカガレイを刺身にし、ゆでてほぐした卵をまぶす岩美町網代周辺の一皿。フナの子まぶりが伝わって生まれたとされ、脂ののった冬の白身にコクのある卵が絡む、祭りや正月のごちそうという。
- 小豆雑煮小豆を煮た汁に柔らかく煮た丸餅を入れる、鳥取の正月雑煮の主流。古来より赤い小豆に邪気を払う力があるとされ、元日の朝に若水と浄めた火で煮て家族で分かち合う、祝い膳の中心料理と伝わる。
- 大山どり大山の麓で種鶏の育成から処理まで一貫して手がける生産者による銘柄鶏とされる。抗生物質を用いない専用飼料で通常より長く平飼いされ、脂と旨みのバランスを狙うという。
- 大山おこわしいたけやごぼう、鶏肉などをもち米に炊き込む、大山山麓のしょうゆ味おこわ。かつて僧兵が戦勝祈願で炊いたのが始まりとも伝わり、大山寺の牛馬市で振る舞われた後、祭りやもてなしの席に受け継がれてきたという。
- 大山ルビー鳥取県中小家畜試験場が、オレイン酸を多く含む「大山赤ぶた」の雌に黒豚の雄を交配して作出した鳥取県オリジナル品種。両者の脂の質と肉の柔らかさを受け継ぐとされ、大山山麓の名を冠する。