甘味 ── 和菓子
薯蕷饅頭
Joyo Manju
すりおろした山芋を皮に練り込んで蒸す饅頭。もとは身分の高い者だけが口にできたことから「上用」の字が当てられたとされ、饅頭のなかでも技量が表れる型として祝儀・仏事に用いられるという。
- 饅頭・焼き菓子
系譜
何でできているか
すりおろした山芋に米粉と砂糖を合わせた皮で、こしあんを包んだ蒸し饅頭。皮に山芋を使うことでふわりと軽い口あたりになり、ほのかな自然な甘みが加わるのが身上とされる。紅白に染め分けて祝い事に使う型もあり、白は慶事、紅白の対は結納など、色の使い分けに意味が込められているとされる。山芋の質と摺り加減が皮の口あたりを決めるとされ、この一手間が価格差にも直結するという。
どう作るのか
山芋をすりおろして米粉と砂糖を合わせ、皮の生地を練り上げる。こしあんを包んで蒸し上げると、皮がふっくらと膨らみ、表面に細かなひび模様が入ることが多いという。皮だけで店の技量がわかるとも言われる。蒸し上がりのひび模様は自然にできるものとされ、あえて均一にしすぎないことを良しとする流儀もあるという。重厚な木箱に詰めて贈る慣わしもあり、菓子そのものより贈答の作法として扱われる側面もあるという。
なぜこの形になったのか
一説によると、山芋を使う饅頭は奈良時代に起源を持ち、当初は身分の高い者への献上品として扱われたことから「上用」の字が当てられたと伝わる。単純な材料構成だからこそ職人の技量の差がそのまま皮の出来に表れるとされ、祝儀や仏事など改まった場に用いられる饅頭の型として定着したという。蒸し上がった直後は柔らかすぎるため、ある程度冷ましてから箱に詰めるのが基本とされる。