甘味
三杯みそ
Sanbai Miso
餅米粉、うるち米粉、小豆あんを茶碗一杯ずつ合わせて練り、蒸し上げる菓子。味噌は使わないが、材料を合わせた見た目が味噌のようだったことが名の由来と伝わる、県南地域の重箱菓子。
- 発祥: 秋田県大仙市
- 東京から北へ約420km
秋田県大仙市
何でできているか
餅米粉とうるち米粉、小豆をそれぞれ茶碗一杯ずつ合わせてつくる大曲地方の餅菓子。味噌は使わないが、材料を練り合わせたときの様子が味噌に似ていることが名の由来と伝わる。素材そのものの甘みと、ねっとりとした食感の小豆あんが特徴で、集まりの席の重箱料理として親しまれてきたという。かつては味噌を使ってつくられていたとも伝わる。
どう作るのか
砂糖とザラメを溶かした中にこしあんを入れてよくこね、そこへ餅米粉とうるち米粉を加えてさらにこねる。蒸しあげて冷ましたのち、食べやすい大きさに切り分けて供する。小豆だけでなく、かぼちゃやくるみ、ごまを加えてつくる家庭もあるという。横手地域には似た菓子「三杯餅」も伝わっているという。農繁期の合間の休憩に、手早くつくって食べられてきたという。
なぜこの形になったのか
凶作の年、ワラビの根から採れるでん粉を使ってつくった「ネバナみそ」が起源の一つと伝わる。その後、農家で収穫される米が原料の中心となり、「花みそ」「三杯みそ」と呼び名を変えながら定着したとされ、材料を茶碗一杯ずつ量って手早くつくれる菓子として親戚の集まりに重宝されてきたと考えられる。限られた材料を無駄なく使う工夫が、いまに伝わっているという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ秋田県
- 赤ずし(赤漬け)炊いたもち米を赤じそと酢で漬け込み、短く発酵させる秋田の郷土ずし。魚を使わない植物性のなれずしで、お盆に仏前へ供える行事食としても伝わる、酸味の穏やかな夏の一皿。
- あさづけ砕け米をすりつぶして煮た生地を砂糖と酢で味付けし、きゅうりやかぶ、季節の果物を混ぜた甘酸っぱいデザート。一般的な漬物の「浅漬け」とは別物で、田植えを終えた女性たちを癒やす夏の一品と伝わる。
- 江戸系ラーメン醤油ラーメンの表面に、ニラとニンニクを効かせた真っ赤な辛味噌がひとかたまり乗る。溶かしながら食べ進めるうち、あっさりした一杯が少しずつ濃く辛く変わっていく秋田市のご当地ラーメン。
- 干し餅切った餅を吊るし編みにして水に浸し、冬の寒さで凍らせては乾かす「寒締め」を経て作る保存菓子。さくさくとした歯ごたえが持ち味で、腹持ちがよく、田植えの合間の軽食として食べられてきたと伝わる。
- いものこ汁里芋の子芋や孫芋「いものこ」を、鶏肉やきのこ、山菜とともに味噌や醤油で煮た秋の汁物。横手市山内地域特有の土壌で育つ里芋は柔らかな歯ごたえが特徴で、県北のきりたんぽ鍋と対比される郷土料理と伝わる。
- 秋田の酒軟水を使い、灘の硬水とは対照的にまろやかで細やかな酒質を目指すとされる秋田の酒。雪に埋もれた蔵が保温効果を持つことを生かし、低温でじっくり発酵させる造りが伝統として続いているという。