甘味
巻柿
Makigaki
渋柿を天日干しにした干し柿の軸を切って開き、十数個を重ねて竹の皮で包み、藁縄でぐるぐると巻き上げた保存菓子。「福をかき寄せる」の意で年末の贈答や正月の縁起物として需要があるという。
- 発祥: 熊本県
- 東京から西へ約900km
何でできているか
干し柿を10数個重ねてラグビーボール状にまとめ、竹の皮で包んで縄で巻き上げた保存食となっている。切ったときに干し柿のあめ色と表面の白い粉の層がバラの花のように見えるのが仕上がりの目安とされ、独特の風味と自然な甘さが和菓子のようだという。干し柿の産地として知られる宇城地区や上益城郡山都町に伝わる伝統食とされる。
どう作るのか
渋柿を干しながら3回ほど手で揉んで形をととのえ、表面に白い粉(果糖)が吹いたら干し柿の完成となる。軸と先端を切り、縦に切り込みを入れて開き、種を取り除く。これを10数個重ねてラグビーボール状にまとめ、竹の皮で包んで藁を添え、縄でぐるぐると巻き上げれば出来上がる。薄く輪切りにしてお茶請けにするほか、クリームチーズやハムと合わせる食べ方もあるという。
なぜこの形になったのか
干し柿の産地として知られる地域に伝わる伝統食で、「福をかき寄せる」という言葉にかけて年末の贈答や正月の縁起物として作られてきたと伝わる。竹の皮に包んで縄で巻く工程には地域や生産者ごとの工夫が見られ、保存食としての実用性と縁起物としての見た目の両方を兼ねる形として今に伝わっているとみられる。7月ごろから竹の皮や藁を準備し、晩秋から仕上げにかかる息の長い手仕事とされている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ熊本県
- 天草大王明治・大正期に天草で飼われた大型の肉用鶏が昭和初期に途絶えたのち、熊本県が約10年かけて復元したとされる。120〜150日齢で出荷され、日本最大級の地鶏という。
- がね揚げ拍子切りにしたさつまいもをしょうが入りの甘めの衣にくぐらせ、油で揚げた惣菜。天草の方言で「がね」はカニの意味で、揚げた形がカニの足に似ることから名付けられたという。精進料理としても使われる。
- 鯛そうめんタイの頭や中骨を煮た「あら炊き」の煮汁でそうめんを煮て食べる祝い料理。そうめんを使うのは特産地・島原の食文化の影響とされる。山都町馬見原では鯛を丸ごと姿煮にする「鯛めん」として伝わるという。
- たこ飯天日干しにした「干しダコ」を水でもどして刻み、ごぼうや人参と炊き込む、または後から混ぜるご飯。旨味が凝縮した干しダコを使うことが多く、天草市有明町の夏の風物詩とされる干しダコ干しの光景で知られる。
- 馬肉蕎麦熊本県阿蘇地域に伝わる、馬肉の甘辛いしぐれ煮を温かいそばにのせる料理という。馬肉文化が根づいた土地で、けが人や病人への薬膳料理として食べられてきた歴史を持つとされる。
- ぶたあえ茹でタコとなすを甘辛い麦味噌で炒め合わせた天草の家庭料理。かつて手に入りにくかった豚肉の代わりに、地元で獲れるマダコを使ったのが始まりとされ、名前だけ「豚和え」として残ったという。