甘味
いも饅頭
Imo Manju
皮をむいた里芋を丸ごと小麦粉の皮で包んで蒸す、矢部川上流の八女市奥地に伝わるおやつ。夕食までのつなぎやご飯代わりに食べられ、冬は焼き網であぶって熱々を頬張ったという。
- 発祥: 福岡県八女市
- 東京から西へ約890km
福岡県八女市
何でできているか
里芋やじゃがいもを丸ごと、小麦粉に砂糖を加えた生地で包んだ蒸し饅頭。夕方の口寂しさを埋めるつなぎや、ごはんが足りないときの代わりとしても食べられてきたという。寒い日にはもち焼き網で焼いて熱々を食べることもある。小麦といも類が豊富にとれる山あいの集落で親しまれてきたそうだ。腹持ちがよく冬の農作業を支えてきたともいわれる。
どう作るのか
いもの皮をむき塩でぬめりを取っておく。小麦粉に塩と砂糖を加えてよくこね、いも1個を包めるくらいの大きさに薄くのばして包み、蒸し器で蒸す。日常では焼いたほうが香ばしくなって好まれ、醤油や漬物を添えて食べることもあるという。薄い味わいが特徴で、味付けは食べる人に委ねられているという。皮を厚さにむらなくのばすのがこつだとされる。
なぜこの形になったのか
小麦といも類が豊富にとれる山あいの集落で、目先を変える工夫として生まれたと伝わる。たくさんつくり置きができて腹持ちがよく、体も温まることから冬には欠かせない一品だったという。矢部川に沿ったこの集落では、身近な食材を工夫して食卓を彩ってきたのだと語られている。熊本県との境にある山あいの土地柄も背景にあるそうだ。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ福岡県
- あぶってかもスズメダイに塩をまぶして一晩おき、鱗も内臓も除かずに炙る。小骨が多く敬遠されがちな魚だが、明治期の博多湾で大量に獲れた際に塩をふって焼いてみたのが始まりと伝わる。
- あちゃら漬け白瓜やなす、れんこんなど夏野菜を赤唐辛子入りの甘酢に漬ける。博多湾の南蛮貿易で伝わったポルトガル語「アチャール」が語源とされ、お盆に客をもてなす縁起物の奇数野菜を使うという。
- あまぎのかわたけ朝倉市の黄金川だけで採れる天然の淡水海苔を、三杯酢や甘酢で和えて食べる。江戸時代には将軍への献上品だったと伝わる希少な食材で、現在は絶滅危惧種として保全活動が続くという。
- べたもち小麦粉の生地を平たい形にのばして蒸し、きな粉や小豆の粒あんをかけて食べる。豊前海でとれる舌平目「ベタ」の扁平な姿に見立てて名付けられたとされ、田植え後の祝いに欠かせないという。
- かぼちゃのだんご汁豊前市三毛門産の大玉かぼちゃをとろとろに煮て、練った小麦粉をちぎり入れる汁物。約450年前にポルトガル伝来という三毛門かぼちゃは、食べ物が乏しかった時代の命をつなぐ味だったという。
- ちゃんらー北九州市門司区の食堂で生まれたとされる麺料理。ちゃんぽん麺をいりこだしのうどん風つゆに入れた一杯で、長崎ちゃんぽんを食べたいが小遣いが足りない生徒のために考えられたと伝わる。