ごはんもの ── 寿司
棒寿司
Bo-zushi
酢締めにした魚を酢飯にのせ、巻きすで棒状に締めて切り分ける寿司の型。押しずしの一種とされ、京都の鯖寿司をはじめ、サンマやサバを使う地域の型が各地に伝わっている。
系譜
何でできているか
塩と酢でしめた魚を一枚のまま酢飯の上に重ね、巻きすで棒状に強く締める。木型で四角く押し固める箱寿司と違い、丸みを帯びた棒状に仕上がるのが特徴で、切り分けると魚の皮目が表を覆う楕円形の断面が並ぶ。鯖やサンマなど、皮に脂の乗った青魚が主に使われ、皮の銀色と身の白さの対比がそのまま断面の模様になり、酢の酸味が脂を軽くまとめる役割も果たす。
どう作るのか
魚は骨を除いて塩でしめたのち、酢に浸してさらにしめる。酢飯の上に魚を皮目を上にしてのせ、巻きすでくるみながら手前から力を込めて巻き締め、棒状に形を整える。そのまま少し置いて味をなじませてから、二センチ前後の幅に切り分けて仕上げる。巻きすを締める力加減が、切り分けたときの断面の丸みを左右するといい、締めが甘いと形が崩れやすいという。
なぜこの形になったのか
内陸部など海から遠い土地で、酢と塩でしめて日持ちさせた魚を運び、酢飯と合わせて食べる工夫から発達したと考えられている。棒状に締めることで魚の身崩れを防ぎながら均一な厚さに切り分けられ、遠方から運ばれてきた貴重な魚を無駄なく振る舞える形として、京都の鯖寿司をはじめ各地の祝いずしに残っているとされる。持ち運びやすい棒状という形も、内陸への輸送に向いていたと考えられている。