ごはんもの
もっそうめし
Mossomeshi
いりこや油揚げ、ごぼうなどを甘辛く煮て炊きたてのごはんに混ぜ、円柱形の型で押し抜く。修行僧の精進料理が起源とされ、三豊市では五穀豊穣を祈る百々手祭りの振る舞い飯として親しまれてきたという。
- 発祥: 香川県三豊市
- 東京から西へ約580km
香川県三豊市
系譜
もっそうめしわりご弁当
何でできているか
丸や扇形の木型にすし飯や五目飯を詰めて押し抜いた「物相飯」を指す、三豊市の郷土料理。にんじんやこんにゃく、たけのこ、いりこ、ごぼう、かんぴょう、干ししいたけなどを甘辛く煮た具をご飯に混ぜ込み、型で抜いて成形する。もともとは修行僧が一膳のご飯で食事を済ませる際の精進料理が起源とされ、簡素ながら具材の旨みがしっかり詰まった食べ応えのあるご飯になっている。近年は牛肉を使った「肉もっそ」も見られるという。
どう作るのか
いりこは頭と腹、骨を取り除いておく。にんじんやこんにゃく、たけのこなどの具材を切り、水と調味料で甘辛く煮る。炊き上がったご飯に具材と煮汁を混ぜ合わせ、円柱形の型に詰めて押し抜き、器に盛り付ければ完成となる。型に押し詰めることで、持ち運びやすく取り分けやすい形に仕上がるといい、押し加減がゆるいと型崩れしやすいため、しっかりと詰めるのがコツとされる。
なぜこの形になったのか
三豊市では五穀豊穣や海上安全、厄払いを祈願する百々手祭りが毎年開かれてきたとされ、この祭りの会食としてもっそうめしが振る舞われたことから市民に親しまれるようになったと伝わる。祭り以外にも、川ざらえや棟上げなど住民総出の共同作業の際、集まった人にまかないとして振る舞われていたという。型に押し詰めて人数分をまとめて用意できる形が、大勢で作業する機会の多い暮らしに合っていたと考えられる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ香川県
- アジの三杯焦げ目をつけて焼いたアジを、唐辛子や刻みしょうがを効かせた三杯酢に漬ける。酢が骨をやわらげ丸ごと食べられるようにする工夫で、小アジが出回る瀬戸内の夏祭りの酒肴として親しまれてきたという。
- あんもち雑煮煮干し出汁に大根と金時人参、あん入りの丸餅を煮て、最後に白味噌を溶き入れる正月の雑煮。江戸期に貴重だった砂糖を使い切る一年一度のごちそうとして始まったと伝わる。
- えびみそ汁殻ごとすりつぶした小エビを米のとぎ汁でのばし、白味噌と豆腐を加えて煮る汁物。三豊市豊中町の宇賀神社で約300年続くどぶろく祭りに、神事の振る舞い料理として添えられてきたという。
- はげ団子収穫したての小麦粉でつくった団子を、小豆であんをまぶした素朴な菓子。梅雨明けの節目にあたる半夏生(7月2日ごろ)に農作業をねぎらってつくり、神仏に供えて家族で食べる。
- いかなご醤油イカナゴを塩とともに半年以上発酵させて造る魚醤で、香川県高松市庵治町が主産地とされる。一時は姿を消したが1998年頃に地元有志の手で復活したと伝わり、日本三大魚醤の一つに数えられる。
- いもたこ瀬戸内海でとれるタコと里芋を、だしと調味料でともに煮付けたシンプルな一品。かつては正月や婚礼などのハレの日のごちそうだったが、今は日常の惣菜としてよくつくられるという。