揚げもの ── 揚げ物
さつま揚げ
Satsuma-age
魚のすり身に豆腐や砂糖を混ぜて揚げた鹿児島の練り物。地元では「つけあげ」と呼ばれ、島津斉彬が保存性を高めるため揚げ物にしたという説と、琉球料理由来という説が伝わる、甘口が特徴の一品である。
系譜
何でできているか
魚のすり身に豆腐や地酒、砂糖を混ぜて成形し、油でじっくり揚げる。表面はきつね色に色づき、噛むとふわりとした弾力の中からほのかな甘みがにじみ出る。他県の同種の練り物より甘めに仕上げるのが鹿児島らしさとされ、そのままでも、炙り直しても楽しめる懐の深さを持ち、酒の肴としてもご飯のおかずとしても重宝される。
どう作るのか
アジやサバ、トビウオなどのすり身に、水切りした木綿豆腐、地酒、砂糖、薩摩芋でんぷんを混ぜて練り、棒状や角型に成形してから160度ほどの油でじっくり揚げる。豆腐を加えることでふんわりとした食感になるとされ、砂糖を加えて甘口に仕上げる点が他県の揚げかまぼことの違いとされる。地元では魚の種類や配合を変え、野菜や卵を練り込んだ多彩な種類が作られているという。
なぜこの形になったのか
一説には、江戸時代に薩摩藩主・島津斉彬が、紀州のはんぺんやかまぼこにヒントを得て、高温多湿な鹿児島の気候に合わせて保存性を高めるために揚げ物にしたとされる。琉球料理の揚げかまぼこ「チキアーギ」が訛って「つけあげ」になったという説も伝わり、他藩や琉球との交流が味の土台になったとみられ、砂糖の入手しやすさも甘口に仕上がった一因とされ、藩の産業政策と食文化が結びついた例ともいえる。