甘味
おちらしあめ
Ochirashi Ame
はだか麦ともち米を煎って粉にした「おちらし」を水あめと砂糖で練り上げ、棒状にして切り分ける菓子。米の裏作として麦づくりが盛んな香川で、初夏の麦の収穫に合わせてつくられてきたという。
- 発祥: 香川県
- 東京から西へ約540km
系譜
おちらしあめはげ団子
何でできているか
「おちらし」と呼ばれる、はだか麦ともち米を煎って挽いた粉を、水あめと砂糖で練り上げた菓子。「はったい」の別名からも呼ばれる「はったいあめ」と同じもので、香ばしく炒った麦の風味と水あめのねっとりとした甘さが合わさり、噛むほどに香ばしさが広がる。香川では米の裏作としてはだか麦の栽培が昔から盛んで、はだか麦は食物繊維が豊富とされ、味噌や麦茶の材料としても使われてきたという。
どう作るのか
はだか麦ともち米を10対3の割合で混ぜ、弱火でじっくり煎ってからひき臼で粉にする。鍋に水と水あめ、砂糖を入れて短時間で煮立たせ、そこにおちらし粉を加えて弱火で練り上げる。練り上がったあめをまな板の上で棒状にまとめ、斜めに切り分ける。仕上げに打ち粉用のおちらしをまぶせば、べたつかず食べやすくなるという。
なぜこの形になったのか
香川は気候が麦の栽培に適しており、米の裏作として古くから麦づくりが行われてきたとされる。麦の収穫期である初夏に合わせ、新しく取れたはだか麦を使って各家庭でおちらしあめを作る習わしが根づいたと考えられる。甘いものが少なかった時代には子どもにも喜ばれ、菖蒲の葉ですくって食べると病気にならないという言い伝えとともに、季節の節目に食べる菓子として親しまれてきたという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ香川県
- アジの三杯焦げ目をつけて焼いたアジを、唐辛子や刻みしょうがを効かせた三杯酢に漬ける。酢が骨をやわらげ丸ごと食べられるようにする工夫で、小アジが出回る瀬戸内の夏祭りの酒肴として親しまれてきたという。
- あんもち雑煮煮干し出汁に大根と金時人参、あん入りの丸餅を煮て、最後に白味噌を溶き入れる正月の雑煮。江戸期に貴重だった砂糖を使い切る一年一度のごちそうとして始まったと伝わる。
- えびみそ汁殻ごとすりつぶした小エビを米のとぎ汁でのばし、白味噌と豆腐を加えて煮る汁物。三豊市豊中町の宇賀神社で約300年続くどぶろく祭りに、神事の振る舞い料理として添えられてきたという。
- いかなご醤油イカナゴを塩とともに半年以上発酵させて造る魚醤で、香川県高松市庵治町が主産地とされる。一時は姿を消したが1998年頃に地元有志の手で復活したと伝わり、日本三大魚醤の一つに数えられる。
- いもたこ瀬戸内海でとれるタコと里芋を、だしと調味料でともに煮付けたシンプルな一品。かつては正月や婚礼などのハレの日のごちそうだったが、今は日常の惣菜としてよくつくられるという。