甘味 ── 和菓子
大福
Daifuku
搗いた餅で餡を包んだ、もっとも基本的な形の一つ。江戸時代には塩気のある厚い餅菓子「腹太餅」が食べられており、これが小ぶりに改良されて「大福餅」と呼ばれるようになったと伝わる。
- 餅・団子
何でできているか
搗いた餅で餡を包むだけの、いたって単純な構成。厚みのある餅の弾力と、なめらかな餡の甘さの対比が身上で、餅の薄さ・厚さや粒あん・こしあんの違いだけで印象がまるで変わる。イチゴや豆を練り込んだ変わり種も、この基本形の応用として広がってきたとされる。表面にまぶす粉には片栗粉が使われることが多く、手に取ったときに指にべたつかないための工夫とされる。
どう作るのか
蒸したもち米を搗いて餅を作り、丸めて中央をくぼませてから餡を包み込み、とじ目を下にして仕上げる。餅が冷めて硬くなる前に手早く包む必要があり、餅と餡それぞれの温度と硬さの見極めが職人の腕とされる。打ち粉には片栗粉が使われることが多く、冷めると硬くなる餅を、その日のうちに食べきる生菓子として仕立てる工程でもあるという。
なぜこの形になったのか
一説によると、江戸時代には塩味の効いた厚い餅にあんを詰めた「腹太餅」が食べられており、これが小ぶりに改良されて江戸中期以降に「大福餅」と呼ばれるようになったと伝わる。片手でつまめる大きさへの変化は、屋台や振り売りで手軽に売り買いされた庶民の菓子だったことと関係があるとされる。冷やして固めず、当日中に食べる柔らかさを保つ仕立ても、この庶民の菓子としての性格を今に伝えているという。