肉 ── 豚肉の部位
トントロ
Tontoro
頬から首にかけての部位で、1頭から少量しか取れないとされる。マグロのトロのように脂がのった食感から「トントロ」と呼ばれ、焼肉や焼き鳥屋で人気がある。加熱しても硬くなりにくい。
系譜
トントロカシラ(頭肉)
何でできているか
頬から首にかけての部位で、脂が細かくきめ込むように入り、マグロのトロを思わせるとろけるような口当たりを持つ。1頭から少量しか取れないとされ、赤身と脂のバランスが濃厚な味わいをつくる。頬に近い側と首に近い側とで脂の入り方に差があり、部位のなかでもとろけ方の強弱が変わる。見た目には赤身のような色合いでも、口に入れると脂の存在感が一気に前に出てくる。
どう作るのか
脂が多いぶん加熱しても硬くなりにくく、焼肉や焼き鳥屋では串や網焼きでじっくり炙る食べ方が定番とされる。1頭あたりの取れる量が少ないため、複数頭分をまとめてようやく人数分の串がそろう希少部位でもある。厚みを均一にそろえて切り出すことで、串を刺した際の火の通りにムラが出にくくなるとされる。予約制で提供する店もあるほど、入荷量そのものが仕入れの時点で読みにくい部位とされる。
なぜこの形になったのか
「トントロ」という名前自体が、マグロのトロに例えられる脂ののり方の類似から生まれたとされ、まったく違う動物の部位を結びつける発想が食文化の面白さとして語られる。希少性と脂の濃さが、焼肉・焼き鳥どちらの卓でも特別な一皿としての位置づけを支えている。数に限りがあるからこそ、注文するときのちょっとした特別感につながっている。