ごはんもの ── 丼物
ねぎとろ丼
Negitoro-don
まぐろの中落ちをねぎと叩いて飯にのせた丼。骨や皮際に残る身を無駄にしない発想から生まれたとみられ、「中落ち丼」の別称も伝わる、とろりとした食感が持ち味の一杯である。
系譜
ねぎとろ丼鉄火丼
何でできているか
まぐろの中落ちや皮際の身をねぎと一緒に叩いた、とろりとした赤身が飯の上に盛られる。刺身のように切り分ける必要がなく、スプーンですくうとねっとりとした脂の質感が舌に絡みつく。刻んだねぎの香りと歯ざわりが、脂の重さに軽さを添え、醤油をひとたらしすると味の輪郭がさらにはっきりする。刺身の状態では敬遠されがちな部位も、叩くことで誰もが親しみやすい食感に変わる。
どう作るのか
まぐろの中骨に残る身や皮に付いた身を包丁で細かく叩き、ミンチ状にしてねぎと和える。骨に近い部位を余すことなく使う調理法のため、赤身の刺身に比べて脂の入り方が不均一で濃淡があり、口の中で溶けるような食感になりやすいとされる。市販品には植物油脂や調味料を加えて食感を整えたものもあるといい、家庭で手軽に作れる点も広まった理由の一つとされる。
なぜこの形になったのか
名前の由来には諸説あり、ねぎと脂の乗った部分(とろ)を合わせたためという説のほか、浅草にあった飲食店の名にちなむという説も伝わる。骨や皮際に残る身を無駄にしない発想から生まれたとみられ、「中落ち丼」の別称もそのことをうかがわせ、まぐろを余すことなく使い切る知恵の延長として、今日の寿司屋や食卓まで続いており、少量でも満足感の高い一杯として親しまれている。