ごはんもの ── 寿司
えび天握り
Ebiten Nigiri
天ぷらにしたエビを酢飯にのせる握りずしの型。生ものではなく揚げ物をネタにする点で江戸前の握りとは一線を画し、回転寿司の定番メニューとして今も広く親しまれている。
系譜
えび天握り
何でできているか
衣をつけて揚げたエビの天ぷらを、握った酢飯にのせる。揚げたてのサクサクとした衣と、下の酢飯のひんやりとした酸味が対照的な食感を作る。仕上げにたれや天かすを添えることもあり、生のエビを使う握りとは香ばしさの方向性がまったく違うネタになっている。衣の厚みやエビの大きさによって、一貫の存在感が大きく変わるという。
どう作るのか
エビに衣をつけて油で揚げ、油を切ってから酢飯の上にのせて軽く握る。衣が酢飯の水分を吸って湿らないよう、揚げてから握るまでの時間を短くすることが求められるという。仕上げに甘辛いたれをかけたり、マヨネーズを添えたりする店もある。エビの尾を握りからはみ出させて盛る店もあり、見た目のボリューム感も好まれる要素とされる。
なぜこの形になったのか
生の魚介を扱う江戸前の握りと違い、火を通した天ぷらは日持ちがしやすく、仕入れや仕込みの管理がしやすいという性質を持つ。ベルトコンベヤで一定のコストと品質を保ちながら大量に提供する回転寿司の業態では、火を通して原価と品質を安定させやすいネタが好まれる傾向があるとされ、天ぷらというすでに完成された調理法をそのまま握りにのせる形が定着したと考えられている。仕込みの手順が単純であることも、大量提供に向く理由の一つとされる。