惣菜 ── 町中華
広東麺
Kanton Men
炒めた豚肉や野菜をとろみのある餡に仕立て、ラーメンの麺の上にかける料理。名前に「広東」を冠しながら、実際の広東料理には対応する料理がなく、日本で生まれた中華料理の一つとされる。
何でできているか
麺の上にとろりとした餡がゆっくりと沈み込み、湯気とともに醤油とだしの香りが立つ。豚肉やたけのこ、白菜、うずらの卵などが層になっており、ひとすくいごとに違う具が現れる。あんの熱でスープが冷めにくく、最後まで熱いまま食べられるのも特徴とされる。とろみの強さが、麺とスープをひとつにまとめる役割を果たしているという。
どう作るのか
豚肉と数種の野菜を強火で炒め、鶏がらスープと醤油、塩で味を調えてから水溶き片栗粉でとろみをつける。別に茹でておいたラーメンの麺にこの餡をかけて仕上げる。中華丼と同じ餡を使う店も多く、丼にするか麺にかけるかで名前が分かれているとされる。野菜の水分量によって、あんの濃度を都度調整する店もあるという。うずらの卵やいかを加えて具を豪華にする店もあると伝わる。
なぜこの形になったのか
一説によると、中華丼や五目あんかけ焼きそばと同じく、とろみをつけた餡をかけるという型そのものが日本で独自に発展したもので、中国の広東省には広東麺に対応する料理は存在しないとされる。異国の地名を冠しながら実際には日本生まれという例は、中華料理の中でもいくつか見られるという。名前の由来をたどると、日本の中華食堂の想像力の豊かさが見えてくるという。