惣菜 ── 町中華
棒棒鶏(バンバンジー)
Bambanji
蒸した鶏肉を細く裂き、すりごまを効かせたたれをかける冷たい料理。四川料理が下敷きで、日本では辛さを抑えた甘めのごまだれに、きゅうりなどの野菜を添える形が定着した。
系譜
棒棒鶏(バンバンジー)油淋鶏(ユーリンチー)
何でできているか
蒸した鶏肉を細く裂き、すりごまを効かせたソースをかける。ソースは、ごまのコクにしょうゆや酢、ごま油、ラー油などを合わせたもので、つるりとした肉の舌ざわりに濃厚な香りが重なる。日本では辛さを抑えた甘めのごまだれが主流で、きゅうりやトマト、レタス、くらげなどの野菜を添えることが多い。ごまの風味とラー油のほのかな辛みが、淡白な鶏肉に奥行きを与える。
どう作るのか
鶏肉を蒸して火を通し、冷ましてから細く裂く。すりごまに調味料を合わせたたれをかけ、きゅうりなどの野菜と盛り合わせる。冷たいまま出せるので、前菜や夏のおかずに向く。中国のもとの形は、唐辛子と花椒の辛さと痺れが特徴で、鶏肉のみをシンプルに盛り、ねぎの細切りを添える程度とされる。鶏肉は蒸すことで柔らかく仕上がり、細く裂くことでたれがよくからむようになる。
なぜこの形になったのか
「棒棒」は、木の棒で鶏肉を叩いて柔らかくする調理に由来するとされる。四川の料理が日本に伝わり、激辛を受け入れる素地が乏しかった当時の日本では、ごまだれの味に落ち着いたと推測されている。四川料理の紹介に力を尽くした陳建民の功績が大きいとも言われ、サラダ感覚の冷菜として日本の中華料理店で定着した。四川の料理が日本の家庭の食卓に近い形へ変わっていった例のひとつといえる。