ごはんもの ── 丼物
他人丼
Tanindon
牛肉や豚肉を玉ねぎとともに割り下で煮て卵でとじた丼。親子丼が鶏と卵という親子を収めるのに対し、卵と別種の肉を組み合わせることから「他人丼」と名づけられたとされる、味の濃い一杯である。
何でできているか
牛肉や豚肉を玉ねぎとともに甘辛い割り下で煮て、卵でとじた丼。鶏肉を使う親子丼と違い、牛肉の脂の強い旨みが割り下に溶け出すため、卵をまとった後も肉そのものの存在感がはっきりと残る。親子丼より味の輪郭が濃く出る一杯とされ、玉ねぎの甘みが濃い肉の味をやわらかく受け止める役割も担い、卵は半熟でとじて肉の旨みを包み込むように仕上げるとされる。
どう作るのか
牛肉や豚肉を薄切りにして玉ねぎとともに出汁・醤油・みりんで煮て、溶き卵を回し入れてとじる。作り方自体は親子丼とほぼ同じだが、鶏肉以外の肉を使う点だけが異なるとされる。牛肉を使う店では「牛とじ丼」、豚肉では「豚生姜丼」と呼び分ける例もあるといい、蕎麦屋の品書きに親子丼と並んで置かれることも多いという。
なぜこの形になったのか
親子丼が鶏肉と卵という同じ生き物の親子を一皿に収めるのに対し、卵と別の種類の肉を組み合わせることから「他人丼」と名づけられたとされる。西日本では他人丼と呼ぶ一方、関東地方では同様の丼を「開化丼」と呼ぶ例もあり、地域による名の付け方の違いにも食文化の広がりが表れている。名づけそのものが親子丼という先行する丼を前提にした、いわば対句のような発想から生まれており、今も蕎麦屋や定食屋の品書きに親子丼と並んで残っている。